消費税主導の再分配政策、AI失業時代に欧州が勝ち組になる理由
消費税主導の再分配政策、AI失業時代に欧州が勝ち組に

欧州はAI革命の敗者か?

欧州連合(EU)は、多くの点でAI(人工知能)革命の最大の敗者の1つとなる可能性が高いように見える。中国とアメリカに大差をつけられるからだ。米ハーバード大学のケネス・ロゴフ教授は、こうした見方を示した上で、欧州には決定的な強みが1つあると主張する。

欧州の高い税率はスーパースター級のAI企業やAI人材を育てたり引き留めたりするのを難しくしている。強まる一方の規制も起業や企業活動の妨げとなっている。古びた欧州の福祉国家は一段と持続不能になっているように映るし、経済も停滞が続いている。欧州最大の経済大国であるドイツは事実上のエンスト状態といっていい。

アメリカ流の仕事人間が報われない時代に

それでも欧州には決定的な強みが1つある。AIでさまざまなものが余剰となる世界に適応していくうえで、アメリカやアジアよりも社会的にはるかに有利な立場にあるということだ。ロゴフ教授は、消費税主導の再分配政策が「AI失業」時代に真価を発揮すると指摘する。

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AIが雇用を奪い、多くの労働者が職を失う可能性がある中、欧州の充実した社会保障制度は失業者の生活を支え、社会不安を抑える効果が期待される。一方、アメリカ流の「仕事人間」が報われるモデルは、AI時代には通用しなくなる可能性が高い。

消費税は「AI失業」時代にこそマッチ

ロゴフ教授は、消費税を財源とする再分配政策がAI時代に適していると説明する。消費税は所得課税と異なり、AIによる生産性向上で所得が減少しても安定した税収を確保できる。この税収を社会保障給付に充てることで、AI失業者の生活を保障し、消費を下支えできる。

欧州の多くの国では既に消費税が主要な財源となっており、この仕組みがAI時代に強みを発揮するという。一方、アメリカの所得税中心の税制は、AIによる雇用喪失で税収が落ち込みやすい。

欧州が手にする「最強の比較優位」

欧州の福祉国家は、AI時代において「最強の比較優位」になり得るとロゴフ教授は結論づける。高い税率や規制は短期的には成長を阻害するが、長期的には社会の安定と持続可能な発展をもたらす可能性がある。

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