2027年度予算の概算要求で、各省庁による要求総額が140兆円前後と過去最大となる見通しだ。その背景にあるのが、かつて「シーリング(天井)」と呼ばれ、歳出抑制の手段として使われてきた枠組みの事実上の撤廃だ。財政悪化のリスクも指摘され、予算編成の歴史の転換点になりうると識者は指摘する。
「もはやシーリングと呼ぶべきものはない」
7月30日の閣議後会見で、片山さつき財務相は「まさに時代の変わり目を象徴する非常に画期的なものだ。もはやシーリングと呼ぶべきものはない」と強調した。同日に閣議了解された概算要求基準では、高市早苗政権肝いりの「新たな投資枠」では要求額に上限を設けないことが明記された。
シーリングの歴史と変遷
シーリングとは、各省から予算を要求する際の上限のことで、「天井」を指す。その歴史は古く、1960年に池田勇人内閣が61年度予算に上限を設けたことが始まりだ。高度経済成長期の当時は年々…



