日銀、追加利上げ見送りも物価見通し上方修正へ、7月会合
日銀、追加利上げ見送りも物価見通し上方修正へ

日本銀行は7月15〜16日に開く金融政策決定会合で、政策金利である無担保コールレートの誘導目標を現行の0.5%程度に据え置く方向で最終調整に入った。市場では追加利上げの観測もあったが、賃金上昇を伴う持続的な物価安定目標の達成にはなお時間がかかるとして、現状維持を選択する見通しだ。

物価見通しを上方修正

一方、日銀は会合後に公表する「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」で、2025年度の消費者物価指数(コアCPI、生鮮食品除く)の前年度比上昇率見通しを、従来の2.0%程度から2.5%程度に引き上げる方向だ。2024年度は2.8%程度、2026年度は2.0%程度と、それぞれ現行予想を維持または小幅修正する見込み。

これは、輸入物価の上昇や円安の影響が長期化していることに加え、企業が人件費上昇を価格転嫁する動きが広がっているためだ。日銀は、物価目標2%の達成時期を「2025年度後半」から「2026年度前半」に先送りする可能性がある。

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賃金と物価の好循環は途上

日銀内では、2024年の春闘で高水準の賃上げが実現したものの、中小企業への波及が不十分で、家計の購買力回復には至っていないとの見方が強い。植田和男総裁は「賃金と物価の好循環を確認する必要がある」と繰り返し述べており、追加利上げには慎重な姿勢を示している。

また、米国の利下げ観測や中国経済の減速など、海外要因の不確実性も高い。日銀は、金融緩和を維持することで景気下支えを優先する判断とみられる。

市場の反応と今後の焦点

市場では、今回の見送りを織り込み済みとの声が多い。注目は、展望リポートで示される物価見通しと、植田総裁の記者会見での発言だ。特に、円安進行に対する認識や、今後の利上げのタイミングに関する示唆が焦点となる。

第一生命経済研究所の熊野英生主席エコノミストは「日銀は年内にも追加利上げを実施する可能性があるが、その前に米国経済の動向や賃金データを見極めたい」と指摘する。日銀は、次回9月会合までに、7-9月期のGDP統計や企業短期経済観測調査(短観)などの結果を踏まえて判断する方針とみられる。

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