日米の金利差が円安を加速、1ドル160円台も視野に
日米金利差で円安加速、160円台も視野

日米の金利差が一段と拡大し、円安が加速している。年内に1ドル=160円台に達する可能性も指摘され、市場の注目が集まっている。

金利差拡大の背景

米国ではインフレ沈静化が遅れ、連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ観測が後退。一方、日本銀行はマイナス金利政策を解除したものの、追加利上げには慎重な姿勢を崩していない。この結果、日米10年国債利回り格差は4%近くに拡大し、円売り・ドル買いを誘発している。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券の植野大作氏は「日銀が年内に追加利上げに踏み切らなければ、円安はさらに進むだろう」と指摘。市場では、日銀の次の動きが円相場の行方を左右するとの見方が強い。

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160円台突入のシナリオ

第一生命経済研究所の熊野英生氏は「もし米国金利が高止まりし、日銀が利上げを見送れば、160円台は十分あり得る」と分析。実際、足元では企業の海外投資や個人の外貨預金需要が高まっており、円売り圧力は強い。

また、政府・日銀による為替介入の効果も限定的だ。4月以降、過去最大規模の介入が実施されたが、円安トレンドは変わっていない。市場では「介入は時間稼ぎにすぎず、抜本的な解決にはならない」との声が聞かれる。

日本経済への影響

円安は輸出企業の収益を押し上げる一方、輸入物価の上昇を通じて家計や中小企業に打撃を与えている。総務省のデータによると、2024年7月の消費者物価指数(生鮮食品を除く)は前年同月比2.8%上昇。食料品やエネルギー価格の高騰が家計を圧迫している。

さらに、円安による原材料費の上昇は中小企業の経営を直撃。帝国データバンクの調査では、2024年上半期の倒産件数は前年同期比で約15%増加し、その多くがコスト上昇を価格転嫁できなかった企業だ。

今後の展望

専門家は、円安の歯止めには日銀の追加利上げが不可欠とみる。しかし、内需の弱さや物価上昇による消費冷え込みを考慮すると、日銀の動きは鈍い。市場では「日銀は10月か12月の会合で利上げに踏み切る可能性がある」との観測が出ている。

一方、米国の大統領選挙や中東情勢など外部要因も円相場に影響を与える。不確実性が高まる中、投資家はリスク回避の動きを強めており、円が安全資産として買われる場面もあるが、全体的な円安基調は変わらないとみられる。

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