暗号資産が金融商品として位置づけられる法改正が成立した。これにより、暗号資産のETF(上場投資信託)解禁や税率軽減などの議論が進むとみられるが、麗沢大の中島真志名誉教授(金融論)は「金融当局が暗号資産への投資にお墨付きを与えたわけではない」とくぎを刺す。「投機性の強い商品であることを理解したうえで投資する必要がある」と話した。
国際的な潮流に合致
――暗号資産が金融商品として位置づけられます。
「米国ではすでに投資用資産として規制されており、国際的な潮流にも合っているので違和感はない。利用者は増えるだろうが、暗号資産に関心のある人たちはもう投資しているはず。金融商品になったからといって急激に裾野が広がるとは限らない」
中島氏は、暗号資産への投資を促すのではなく、投資家保護の観点から規制を整備する必要性を強調する。「やらせない親切」も選択肢のひとつとして、過度なリスクを取らないよう注意を促した。
ETF登場の影響
――暗号資産のETFが登場するとみられています。
「暗号資産への投資が格段に容易になる。しかし、価格変動の大きさは変わらず、元本保証もない。金融商品としての枠組みが整っても、投資家自身の判断が重要だ」
中島氏は、ETFによって一般投資家が気軽に暗号資産にアクセスできるようになる一方、価格急落などのリスクを認識すべきだと指摘する。また、金融庁が認可する商品であっても、当局が価値を保証するわけではないとくぎを刺した。
今後の規制と課題
政府・与党は暗号資産の売却益に対する税率を「一律20%」に引き下げる方向で検討している。現在は雑所得として最大55%の税率が適用されるケースもあり、業界からは負担軽減を求める声が上がっていた。
一方で、暗号資産を巡っては「サナエトークン」などの問題も発生。高市首相は「個別のトークンについて政府が関与するものではない」と突き放す姿勢を示している。中島氏は「金融商品化は一歩前進だが、怪しいイメージを変えないと、真の普及は難しい」と業界団体の代表理事の見解を紹介した。
また、ステーブルコインの活用や、企業による暗号資産の「爆買い」など、新たな動きも活発化している。専門家からは「一時的なブームだが、長期的な資産形成には向かない」との指摘もあり、投資家は冷静な判断が求められる。



