国内の暗号資産交換業界で、ついに大再編が動き出す。SBIグループは6月25日、国内3位のビットバンクを467億円で買収し、完全子会社化すると発表した。ビットバンク創業者の廣末紀之社長に加え、主要株主であるMIXI(ミクシィ)とセレスも保有する全株式を売却する。
SBIグループ傘下で最大規模の勢力に
SBIグループ傘下の交換所SBI VCトレードとビットバンクの口座数は、単純合算で約292万口座。預かり資産の合計額は約1.1兆円に上る(いずれも4月末時点)。独立系のビットフライヤーやマネックスグループ傘下のコインチェックを抜き、国内最大規模の勢力が誕生する見込みだ。
ビットバンクは独立系の一角として存在感を放ち、廣末社長はかねてIPO(株式上場)への意向を示していた。なぜこのタイミングで「SBIグループ入り」の決断を下したのか。廣末社長が東洋経済の取材に応じ、その真意を明かした。
経営者として合理的判断をしただけ
――SBIグループ入りを決めた背景には何があったのですか。
「いちばん大きいのは、暗号資産を金融商品取引法(金商法)の下で金融商品として位置づけ直す動きだ。これまで暗号資産は資金決済法で規制されてきた。それが2027年度にも金商法の対象になることで環境変化が起きる。さらに、株式や債券をはじめとする、あらゆる資産クラスがブロックチェーン上で取引・管理される『オンチェーン金融』が今後進むとみている。その際には総合的な金融機能が欠かせないだろう」
「株式のトークン化を例にしても、株式の管理、トークン化、流通、名義の書き換え、配当など複数の機能が求められる。われわれのような暗号資産交換業者が単独で行えるのはおそらく流通だけ。商品組成から一体でやるには、あらゆる金融機能を総動員して連携させることが必要となる」
トップダウン体制の重要性
「オンチェーン化は技術で横串を刺すようなものなので、いろんな機能をそろえている企業グループと連携したほうがいい。もう1つ重要なのは、トップダウンで進められる体制かどうか。よくあるのが『銀行はこう言っている』が『証券はこうだ』と、同じ金融グループでも縦割りで意思決定が異なり、まとまらないこと。金融インフラのすべてを変えるオンチェーン化は、明確なビジョンの下にトップダウンでないと進められないはずだ」
「その点、SBIグループは金融の機能をフルで持つ。しかも北尾吉孝会長兼社長の強いリーダーシップで全グループが動く。そのようなSBIグループに入れば、ビットバンクもオンチェーン金融でナンバーワンの一員になる可能性が高いと判断した。SBIグループも、ビットバンクが加わることでオンチェーン金融で圧勝できると思っている」
――従来はIPOを目指すとしていました。
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