2026年後半の日本株市場について、ケイ・アセット代表の平野憲一氏は「上昇トレンドは継続するが、そのスピードは鈍る」と予想する。その根拠として、3つの視点を挙げている。
相場サイクルは依然として「業績相場」
平野氏はまず、相場のサイクルに注目する。現在の日本株は「金融相場」「業績相場」「逆金融相場」「逆業績相場」の4サイクルのうち、2番目の「業績相場」に位置している。2025年大納会の日経平均は5万0339円48銭、予想EPS(1株当たり利益)は2650円84銭だったが、2026年6月末には日経平均が7万0062円32銭、予想EPSは3853円81銭に上昇。昨年末比で日経平均は39.18%上昇したのに対し、予想EPSは45.38%上昇し、EPSの伸びが株価を上回っている。平野氏は「この状態で業績相場が終わるとは考えられない」と述べている。
また、円安が企業業績を押し上げている点も重要だ。1ドル=162円でも為替介入がなかったことから、平野氏は160円台前半での介入はもうないと推測。仮に165円前後で介入があっても、一気に150円台に戻る円高はないと見ている。そのため、今後の企業業績は上積みされ、8月の4~6月期決算発表時点で日経平均の予想EPSは4000円を超える可能性もあると指摘する。
EPS上昇率の鈍化に注意
業績相場はすでに3年目に入っているが、上昇は年後半も続くと平野氏は見る。ただし、年前半のような急ピッチの上昇が続けば、「EPS上昇率>日経平均上昇率」の関係が逆転し、「EPS上昇率<日経平均上昇率」となる可能性がある。これは「人気先行(バブル)相場」に他ならず、上昇相場が終わるリスクが高まる。実際、6月の日銀短観(7月1日公表)では、大企業製造業の業況判断指数DIが3月調査を5ポイント上回る+22と、2018年3月以来の高水準で5四半期連続の改善を示した。大企業非製造業の業況判断DIも、3月調査から1ポイント改善の+37と、1991年8月以来の高水準となっている。これはAI関連需要の増加が大きな理由だ。
AI銘柄の選別が進む
2つ目の視点として、平野氏はAI関連銘柄の動向を挙げる。これまでAI関連銘柄は幅広く買われてきたが、2026年後半は選別が極端に進むと予想する。実際に業績が伴う銘柄と、期待だけで買われている銘柄の差が明確になり、投資家はより慎重な銘柄選択を迫られる。この選別が進むことで、全体の上昇速度が鈍化する可能性がある。
上昇トレンドは不変も、速度は低下
3つ目の視点は、上昇トレンド自体は変わらないものの、そのスピードがかなり落ちるという点だ。平野氏は「上昇トレンドは不変でも、年後半の上昇速度はかなり落ちる」と指摘する。年前半のような急上昇は期待しにくく、投資家はより現実的なリターンを想定すべきだとしている。
総じて、2026年後半の日本株は業績相場の継続により上昇基調を維持するが、EPS上昇率の鈍化、AI銘柄の選別、そして相場サイクルの成熟により、上昇ペースは緩やかになると平野氏は結論付けている。



