総務省の「家計調査」によると、20代以下が世帯主の2人以上世帯の持ち家率(戸建て・マンション)は昨年40.7%となり、比較可能な2000年以降で最高を記録した。不動産価格の高騰や金利上昇を背景に、住宅購入を急ぐ若年層の家族が増えている。
購入を後押しする「超長期ローン」
購入費は世帯年収の6~7倍が目安とされるが、リクルートの調査によると、首都圏で世帯年収の8倍以上で新築マンションを購入した割合は、全年齢で2009年の7.1%から2024年には20.4%に急増した。
背景には不動産価格と金利の上昇がある。不動産経済研究所によると、首都圏の新築分譲マンション平均価格は今年上半期(1~6月)に初めて1億円を突破。近畿圏は5453万円と、24年上半期に次ぐ過去2番目の価格となり、バブル期の1991年上半期(5221万円)を上回った。
こうした中、「今買わなければ、将来さらに金利が上がって手に入れられなくなる」と購入を急ぐ若者が増加。大手ネット銀行などが相次いで返済期間50年の超長期ローンを扱い始め、これらを選ぶ若者が増えたことも一因とみられる。
老後資金を圧迫するリスク
住宅ローンの返済期間はこれまで35年が主流だったが、50年に延ばせば月々の返済額を大きく減らせる。夫婦共働きの増加で、世帯主と配偶者で組む「ペアローン」を活用し、都市部の希望物件に手が届くようになった。
だが、25歳で50年ローンを組めば完済時は75歳、30歳なら80歳となり、老後の生活資金を圧迫するリスクは極めて高い。返済期間が長いほど銀行に支払う総利息額は膨らむ。
賃貸を選ぶ若者も
一方、資金面から「買えない」層を含め、賃貸を選ぶ若者も少なくない。結婚や転職などライフステージが大きく変わる若者にとって、賃貸は転居しやすい「身軽さ」が最大の利点だ。
リクルートの住宅情報サイト「SUUMO」の池本洋一編集長は、インフレ下では不動産を持つことが資産防衛につながる側面があると指摘。「駅から徒歩圏」「耐震補強済み」などの優良物件なら価格も下がりにくく、賃貸よりも「買う方が得」という。
ただ、池本氏は「無理な返済計画で超長期ローンを組むと、子供の教育費や親の介護が必要になったり、自身が病気やけがで働けなくなったりしたときに家計が破綻する恐れがある」と警鐘を鳴らす。月3万~5万円を投資信託などに分散投資する余裕があれば、ローンの残りを積み立て分でカバーでき、住み替えもしやすくなる。
「価値ある家を見極めて買う」と同時に「万一の備えや他の投資にお金を回せる余力を残す」というバランス感覚が若者には求められている。



