住宅ローン金利上昇で変動が有利な理由と損益分岐点の分析
住宅ローン金利上昇で変動が有利な理由と損益分岐点

住宅ローン比較診断サービス「モゲチェック」取締役CMOで住宅ローンアナリストの塩澤崇氏は、金利上昇局面における住宅ローンの選択について、現時点では変動金利が有利であると明確に結論づけている。判断の軸は、今後の利上げの程度と、仮に変動金利が固定金利を上回った場合でもその高金利状態が継続する期間の2点だ。

変動金利と固定金利の金利差は過去最大級

足元では変動金利と固定金利の差は2.13%に達し、変動金利が圧倒的に有利な状況にある。例えば、5000万円を35年間、元利均等返済で借り入れ、変動金利1%、固定金利2.5%を出発点とした試算では、政策金利が1.0〜1.5%で推移するメインシナリオにおいて変動金利が固定金利を大きく下回る結果となる。両者の金利が並ぶのは政策金利が3.75%、変動金利にして約4%まで上昇した場合だが、日銀の慎重な利上げ姿勢を踏まえると、そのようなシナリオは考えにくい。

元利均等返済の特性と人口減少下の金利見通し

元利均等返済では、利息総額の約半分を最初の10年間で支払うため、返済後半の金利上昇が総返済額に与える影響は限定的である。また、人口減少が進む日本では、賃金上昇が持続する一方で需要も減少するため、高金利が長期にわたって続くことは想定しにくく、変動金利の優位性は崩れないと塩澤氏は分析する。

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同じ変動金利でも契約時期で差が生じる

同じ変動金利を選択しても、契約時期によって適用金利に差が生じる。適用金利は「店頭金利から引き下げ幅(優遇幅)を差し引いたもの」で決まるが、店頭金利が長期間横ばいだった一方、引き下げ幅は2016年のマイナス金利政策導入以降、銀行間の競争激化により大きく拡大した。2009年ごろは1.0%程度だった割引幅が、2022年ごろには2.1%まで拡大している。この引き下げ幅は契約時に固定されるため、割引幅が小さかった時期に借りた人は、完済まで割高な金利のまま取り残されることになる。こうした場合、借り換えによって現在の大きな引き下げ幅を取り込むことが有効な対策となる。

塩澤氏は、住宅ローンの選択において「借りすぎない」ことを大前提とし、年収の7倍を上限とする目安を示している。

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