東京23区から郊外へ大移動、家賃上昇で住み替え加速の実態
東京23区から郊外へ大移動、家賃上昇で住み替え加速

東京23区の家賃上昇が深刻化し、住民の郊外への大移動が加速している。不動産コンサルタントの沖有人氏によると、都区部での募集賃料の上昇幅が10%を超える物件が出現した時期と、日本人の転入超過数が急減した時期が重なるという。

都区部の転入超過が急減、郊外で急増

日本人の転入超過数は首都圏全域で毎年約12万人を維持しているが、内訳は大きく変化している。各年5月までの直近12カ月で見ると、都区部では2024年の5万3806人から2025年に4万8526人、2026年には3万8881人へと急減。一方、都区部以外では2024年6万6063人、2025年6万6198人とほぼ横ばいだったが、2026年には8万4394人へと大きく増加した。特に直近1年の動きが顕著で、これは都区部で家賃上昇が加速した時期と一致する。

住み替え層の負担増と郊外化の要因

賃貸借契約は通常2年ごとの更新が多く、住み替えの際には現在より高い家賃を求められるケースが増えている。コストを抑えるには郊外に移るか、居住面積を狭くするなどの対応が必要だ。住み替え層は持ち家より賃貸居住者が圧倒的に多く、若年単身者の移動が中心。彼らの持ち家率が低いことが郊外化を促進している。現在の賃料上昇は空室率低下による需給逼迫が原因であり、郊外化が進んでも短期間での賃料低下は見込みにくい。

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賃上げと住宅費のギャップ

賃金は2023年以降上昇基調にあり、連合の春闘最終集計では定期昇給を含む賃上げ率が3年連続で5%台を記録した。しかし、企業の賃上げを後押ししてきた賃上げ促進税制のうち、全企業向け措置は2026年3月31日までに開始する事業年度への適用を最後に廃止される。今後、賃上げが住宅費の上昇に追いつかなければ、家賃負担が重くなる人は増える可能性が高い。沖氏は「賃貸居住者の郊外化の波は、当面収まりそうにない」と指摘している。

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