廃墟が子どものアートの森に変身:空き家マッチングが生んだ理想の買い手
廃墟がアートの森に変身:空き家マッチングの力

2017年ごろ、雑木林や竹林に覆われて“廃墟”となっていた広大な物件が、空き家マッチングによって「鴻巣アートの森」として生まれ変わった。不動産会社も敬遠したこの物件を購入したのは、芸術による教育の会の屋嘉部さん。理想の買い手を見つけた空き家マッチングの力が、地域に新たな価値を生み出した。

整備には時間と費用がかかった

購入後、まずゴミの処分から始まった。売主のAさんによると、「2トントラック3台で数回往復してもらい、70万円かかりました。それでも屋嘉部さんたちがかなりのモノをアップサイクルして使ってくださっているので排出量はだいぶ減らせました」という。さらに、雑木林や竹林の整備も大仕事だった。

屋嘉部さんは、「いとこの息子が兵庫で木こりをやっているので、泊りがけで2回来てもらってかなりの木を切ってもらいましたし、庭師さんにも入ってもらいました。幸い、木を切ることや筍掘りもイベントにして多くの人に参加してもらえるので、孤独に抱え込むよりずっと楽でした。建物内のできるところは自分たちでDIYしました」と振り返る。

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売主と買主の良好な関係

巨木を切り倒すイベントにはAさん母子も参加。季節ごとに訪れては手入れすべきポイントを伝えたり、一緒に味噌作りイベントを開催したりと、約10年後の今も良好な関係が続いている。売主‐買主の関係も時代とともに変わっている。

子どもも大人も楽しめる空間に

雑木林は適宜伐採されて広場が作られ、大木を利用したツリーハウスも設置された。2026年5月には和太鼓の演奏会が林で開催され、親子が集まった。10年前は薄暗く人が入りにくかった雑木林が、木漏れ日の美しい広場に生まれ変わったのである。

「鴻巣アートの森」と名付けられた施設内には、どろんこ遊びができるフィールド、収穫を楽しめる畑、焚き火で野外炊飯ができるスペース、複数人での宿泊施設、ヤギもいる。旧家のお屋敷が、都会ではできない体験を提供する場に変身した。

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