山梨県西桂町は、空き家を活用した地域再生を進めるため、東京都内の不動産会社と芸能事務所との連携協定を締結した。町は空き家の情報を各社と共有・相談しながら有効活用の方法を模索し、芸能事務所のタレントが町の魅力発信を担う。深刻な少子高齢化や地域活性化といった課題を「異例のタッグ」で乗り越えたい考えだ。
協定の内容と締結式
連携協定を結んだのは、空き家の買い取りやリフォーム、メンテナンスなどを手がける「タスキパートナーズ」(東京)と、芸能事務所の「サンミュージックプロダクション」(同)。タスキパートナーズは町が提供した空き家情報を基に、買い取りや再生に向けた提案を町などに対して行う。サンミュージックプロダクションは、所属タレントを町のイベントに派遣したり、SNSで町の魅力などの情報を発信したりすることを想定している。
8月20日には、同町役場で堀内達也町長と各社の代表取締役社長が出席して締結式が行われた。既に事業の体制は整っており、空き家の購入希望者などから相談があれば本格始動する予定だ。
町が抱える課題
同町は都内から100キロ圏内に位置するほか、富士山麓に近く、豊かな自然を抱えるなど多くの利点を持ちながらも、その発信力の不足が大きな課題となっている。少子高齢化も進んでおり、町内の空き家は町が把握しているだけで100軒程度に上る。
町の人口は3758人(8月1日現在)で、ピークだった2000年の4910人に比べて1000人以上減少。65歳以上の高齢者は1317人と総人口の3割以上を占め、今後さらに空き家が増えることが懸念されている。
協定締結の経緯と今後の展望
今回の連携協定は、同町の三ツ峠山に度々登山に訪れていたタスキパートナーズの村田浩司代表取締役社長が、町が空き家問題で悩んでいることを知ったのがきっかけで、同社側から声をかけて締結に至った。
同社の細谷拓己取締役(35)は「需要がないと思われがちな空き家の価値を生み出し、西桂町の活性化につなげていきたい」と意気込みを語る。事業を担当する町企画財政課の担当者は「空き家問題の解決と地域創生に向けて、様々な角度から協力していきたい」と話している。



