熊本の廃墟モール「エムズシティ」切ない歴史:寿屋から水光社へ、生協に敗れ半分閉鎖
熊本廃墟モール「エムズシティ」切ない歴史:寿屋から水光社へ

熊本県水俣市にある「エムズシティ」は、かつての寿屋水俣店の建物を引き継いだショッピングセンターだが、現在は建物の半分が閉鎖され、廃墟モールの様相を呈している。このモールはどのような歴史をたどったのか。ショッピングセンター研究家の坪川うた氏が解説する。

水光社の圧倒的優位:チッソ生協が基盤

1983年度、水俣市の小売業売上高286億円のうち、水光社の売上は98億円で約3分の1を占めていた。水光社はチッソの職域生協が前身で、組合員に特典を付与し、市内で圧倒的な地位を築いていた。寿屋が進出後も組合員数を伸ばし、売上で寿屋を大きく上回っていた。

寿屋の経営破綻と水光社による買収

寿屋はバブル崩壊後に経営が低迷し、2001年12月に民事再生法を申請。水俣店は2002年2月に閉店した。閉店後、長年ライバルだった水光社が建物と土地を地権者から買収し、2003年3月に「エムズシティ」としてリニューアルオープンした。

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エムズシティの開業とその後

建物はそのまま活用し、外観と内装を大幅に改装。地下1階には直営の食料品売り場とJAあしきたの産直市場、1階に書籍・CD大型店やファストフード店、2階に100円ショップ、3階に家電量販店、4階に家具チェーン店、5階にアミューズメント施設が入り、全フロアが埋まった。しかし、その後5階のレストランや3階・4階・地下1階の店舗が閉店または水光社に移転し、現在は建物の半分が閉鎖されている。

水光社本店のリニューアル

一方、水光社本店は老朽化のため一時閉店し建て替え、2022年12月に新店舗がオープン。平日でも買い物客で賑わい、街の中心として機能している。

廃墟モール誕生の要因

廃墟モール誕生の要因として、競合の生協の強さ、立地の変化、消費者の嗜好変化などが挙げられる。エムズシティは水光社の強固な地盤に太刀打ちできず、テナントの撤退が進んだ。

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