タワマン40階以上、3戸に1戸は住民登録なし 神戸市調査
タワマン40階以上、3戸に1戸は住民登録なし 神戸市調査

都市部のマンション価格が高騰する中、実際に住むための購入ではなく、投資やセカンドハウス目的で所有される「住まない買い手」が増加している。明治大学政治経済学部教授の野澤千絵氏は、神戸市が実施した大規模調査の結果を踏まえ、その実態と影響を解説する。

神戸市の調査で判明した非居住所有の実態

神戸市が市内の区分所有タワーマンション53棟、1万1216戸を対象に実施した所有者調査によると、40階以上の高層階では3戸に1戸が住民登録をしていないことが明らかになった。また、契約者の65%が「セカンドハウス」や「投資目的」であるという。

この調査結果は、他の都市の状況を考察するうえでも参考になると野澤氏は指摘する。

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非居住所有がマンション管理に及ぼす影響

非居住の個人・法人による所有の拡大は、マンション管理に大きな影響を及ぼす危険性がある。日常的に住んでいない所有者が増えるほど、漏水などの問題発見が遅れたり、管理組合の運営に支障が生じやすくなる。具体的には、理事の担い手の確保が難しくなる、所有者同士の連絡や意思疎通が取りづらくなるといった問題が起こりうる。また、マンション管理に対する意識や関心の度合いが、居住者と非居住所有者で大きく異なることも珍しくない。

実際、マンション管理会社からは、都心部のタワーマンションで居住目的ではない所有者が半数を超え、管理組合の総会が定足数を満たせず、総会そのものを開催できなかったという報告もある。

「住みたい人」の手に渡りにくくなる問題

新築マンションでは、他の住戸がどのような人に売られたのか、つまり日常的に住む人がどれほどいるのかは、実際に入居が始まるまでわからないケースが一般的だ。もし自ら住むために買ったマンションで、実際に住んでいる区分所有者が半分にも満たなかったとしたら、購入者は大きな衝撃を受け、購入を後悔するかもしれない。

管理規約の内容によっては、実際に住んでいる区分所有者に管理組合を運営する負担が過度に集中したり、管理そのものが不安定になったりするおそれがある。

区分所有法の改正と今後の課題

区分所有マンションをめぐっては、所有者の高齢化と建物の老朽化という「二つの老い」を背景に、合意形成を進めやすくしようと、2025年5月に区分所有法などの大幅な改正が成立し、2026年4月1日から施行されている。具体的には、日常的な管理事項に関する決議には「出席者ベースの決議要件」が導入された。これまでは、総会を欠席した人も含めた全区分所有者を分母として賛否の割合を計算していたため、欠席者が多いマンションでは、決議に必要な賛成数に届かず修繕や管理に関する決議が進まないという問題が生じていた。

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