被団協結成70年、94歳代表委員が核廃絶の継承訴え
被団協結成70年、94歳代表委員が核廃絶の継承訴え

2024年にノーベル平和賞を受賞した被爆者の全国組織「日本原水爆被害者団体協議会(被団協)」は10日、結成から70年を迎えた。同日午前、長崎市内で記者会見を開き、「核のない社会」の実現に向けた行動を呼びかけた。

被団協は、被爆者の援護施策の実現や核兵器廃絶に向けた運動を先導してきたが、高齢化による組織の存続の課題も抱えている。

結成70年、長崎で記者会見

結成大会と同じ長崎市内で行われた会見には、結成に立ち会った代表委員の田中煕巳さん(94)らが出席した。70年前の結成宣言「世界への挨拶」になぞらえ、「ふたたび世界への挨拶」とする声明を発表。被爆者が願い続けた「核兵器も戦争もない人間社会」を築くのは世界の市民一人一人だと指摘し、「残されたいのちの限り訴え続ける」と誓った。

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結成のきっかけは1954年に起きた、米国の水爆実験で「第五福竜丸」の船員が被曝したことだ。原水爆反対の機運が急速に高まり、翌55年に広島で第1回の原水爆禁止世界大会が開催された。56年8月9日には長崎市で第2回大会が開かれ、翌10日、被団協が誕生した。

運動の成果と高齢化の課題

被団協は「再び被爆者をつくらない」とのスローガンを掲げ、国家補償を求めて運動を展開。57年の被爆者健康手帳の交付開始や、95年の被爆者援護法施行につなげた。被爆者はケロイドが残る自身の写真を掲げるなどして国際社会に核兵器の非人道性を訴える証言活動も行ってきた。ノーベル平和賞授賞理由では、こうした活動が、核兵器を使ってはならないとする「核のタブー」を形成したとたたえられた。

会見で田中さんは「結成によって全国の被爆者が力強く運動を始めた」と振り返り、「これまで70年間進めてきた核兵器をなくすという運動を(被爆)2、3世が引き継いでほしい」と語った。

厚生労働省によると、広島、長崎で被爆し、被爆者健康手帳を持つ人は今年3月末時点で9万1105人で、平均年齢は86.66歳。被爆者の減少や高齢化が進む中、被団協は今年6月の総会で、被爆2世や3世に運営を引き継ぐ案と解散する案を中心に、今後1年間で組織のあり方を議論することを申し合わせた。

都道府県組織は13道県で解散や休止している。被爆者ではない2世らが会長や事務局長を務めているケースも増えており、運動は岐路に立たされている。

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