不動産調査会社マーキュリーは8月17日、神奈川県(横浜市と川崎市を除く)の中古マンション平均価格上昇率ランキングを発表した。駅別の中古マンション相場を2020年と2025年(9月末まで)で比較したもので、上昇率トップは湘南モノレールの湘南深沢駅で、93.2%(2020年の約1.93倍)だった。
上位駅の価格上昇率と価格帯の変化
2位は京浜急行逗子線の逗子・葉山駅で上昇率93.0%(約1.93倍)。3位はJR東海道本線の小田原駅、4位は小田急江ノ島線の本鵠沼駅が続く。上位30駅の2020年の平均価格は、1000万円台が2駅、2000万円台が10駅、3000万円台が12駅、4000万円以上が6駅で、中心は2000万円台から3000万円台だった。一方、2025年は2000万円台が1駅、3000万円台が8駅、4000万円台が4駅、5000万円台が10駅、6000万円以上が7駅となり、1000万円台と2000万円台の駅がほぼ消え、3000万円台が最低ラインとなるなど価格帯が大きく上にスライドした。
新築時価格との比較と湘南エリアの特徴
新築分譲時価格と比べた中古流通価格の上昇率を見ると、2020年は上位30駅中25駅が新築時価格を下回っていたが、2025年は25駅が新築時価格を上回った。神奈川県は千葉県や埼玉県と異なり、2025年時点の上位10駅の中古価格の大半が平均5000万円を超える。2020年に4000万円前後だった駅が6000万円台から7000万円台まで上昇している。
横浜市・川崎市を除く神奈川県の相場形成
埼玉県や千葉県では2020年に2000万円前後だった駅が3000万円台半ばから後半へ上昇し上位を占めたが、2020年時点で4000万円前後まで上昇していた駅は2025年の上昇率が伸び悩む傾向があった。今回の集計では横浜市と川崎市を除いているが、それらの価格上昇にけん引され、郊外エリアの価格も上昇。埼玉県や千葉県と比べると価格の上昇余力が非常に高いことが明らかになった。
ランキング30駅全体では内陸部より沿岸部の方が上昇率が高く、上位には湘南深沢駅、逗子・葉山駅、本鵠沼駅、逗子駅、長谷駅、江の島駅、藤沢駅と湘南エリアが多数入った。湘南エリアはリゾート感もあって人気が高く、都心部への交通利便を差し引いても積極的に選ばれる郊外エリアで、上昇率だけでなく中古価格自体も高い傾向がある。
千葉県や埼玉県では東京都心方面へのアクセス性が中古価格相場に大きく影響したが、神奈川県(横浜市と川崎市を除く)では横浜駅へのアクセス性の影響が大きく、東京都心部からの距離が直接的に相場に影響しづらい傾向にある。横浜市や川崎市の相場上昇が県全体をけん引していることや、横浜駅を基点とした交通利便で相場が形成される側面もあり、郊外エリアでも埼玉県や千葉県とは一線を画す相場を形成している。
今回の結果からは、横浜市・川崎市を除く神奈川県でも中古マンション価格の上昇が広がっていることがわかる。特に湘南エリアでは都心へのアクセスだけでは説明できない人気の高さがうかがえ、「郊外なら比較的手頃」というイメージの見直しが必要になりそうだ。



