エアコン買い替えの真実:家電王が語る「焦る必要なし」
この夏、エアコンの売れ行きが例年以上に伸びている。背景には「エアコン2027年問題」がある。2027年度から家庭用エアコンの省エネ基準が引き上げられるため、低価格モデルが入手困難になるとの懸念が広がっているのだ。現在、低価格モデルは6万円前後で販売されているが、省エネ基準を満たすモデルは10万~30万円と価格が跳ね上がる。そのため「今年のうちに買っておこう」と家電量販店に駆け込む消費者が増加。一部の量販店では設置工事が数週間待ちとなるケースも出ている。
しかし、東京電力エナジーパートナーに在籍し、テレビ東京の「TVチャンピオン」スーパー家電通選手権で優勝した「家電王」の中村剛氏は、「今使っているエアコンに異常がなければ、焦って買い替える必要はありません」と断言する。中村氏によれば、エアコンが多少値上がりする可能性はあるものの、「低価格帯のエアコンが市場から消える」と考える必要はないという。
エアコン2027年問題の実態:メーカーの競争が価格を守る
中村氏は「正直、そこまで騒がなくてもいいと思っています」と語る。メーカーが下位モデルの省エネ性能を引き上げることは、それほど難しい話ではないと指摘。さらに、10年前と比較して、ハイアールやニトリなど新規参入企業が増え、競争が激化している点を挙げる。「大手メーカーが高価格帯のモデルばかり販売すれば、シェアを奪われるだけ。各社とも機能をシンプルに抑えながら、新しい基準を満たした低価格モデルを投入してくると考えています」と述べる。
最新エアコンでの節約効果は年間3630円:買い替えの経済性を検証
中村氏は、最新のエアコンに買い替えた場合の節約効果を試算。電気料金を31円/kWh(全国家庭電気製品公正取引協議会設定の目安単価)とすると、10年前の機種から最新機種への交換で年間約3630円の節約になるという。しかし、20万円前後の高額モデルを購入する場合、回収には長期間を要する。中村氏は「5年前のエアコンでも、スマートリモコンを数千円で購入すれば外出先から操作でき、効率的な運転が可能です」と提案。最新モデルにこだわる必要はないと強調する。
スマートリモコン活用術:数千円で実現する節約と快適性
中村氏が推奨するのは、数千円で購入できるスマートリモコンの活用だ。これにより、外出先からスマートフォンでエアコンを操作でき、帰宅前に適温に調整することで無駄な運転を削減できる。また、タイマー機能や温度センサーとの連動で、より細かな節約が可能となる。「20万円の最新モデルを買う前に、まずは数千円のリモコンを試してみてください。十分な効果が得られます」と中村氏は語る。
買い替えのベストタイミング:夏より秋冬が狙い目
エアコンの買い替えを検討するなら、夏の需要期を避け、秋から冬にかけてのオフシーズンが狙い目だ。中村氏は「基準となるのは10年、そしてかかっている電気代。10年未満で電気代が高すぎると感じなければ、今すぐ買い替える必要はありません」とアドバイスする。また、設置工事の待ち時間も短く、価格交渉もしやすい時期だという。



