EVシフト加速でトヨタの戦略転換、水素エンジンに再注目
EVシフト加速でトヨタ戦略転換、水素エンジン再注目

世界的な電気自動車(EV)シフトが加速する中、トヨタ自動車が水素エンジン車の開発を強化している。2022年の水素エンジン車の世界販売台数は前年比約2倍の約4,000台に達し、水素エンジンはEVと並ぶ脱炭素の柱として再評価されつつある。

トヨタの水素戦略の背景

トヨタは長年、燃料電池車(FCV)の開発を進めてきたが、航続距離や水素インフラの課題から普及は限定的だった。しかし、2021年から水素を直接燃焼させる水素エンジンの研究を本格化。既存のガソリンエンジン技術を活用できるため、コスト面で優位性があるとされる。

トヨタの豊田章男社長は「水素エンジンはカーボンニュートラルの選択肢の一つ」と述べ、マルチパスウェイ戦略の重要性を強調。EVだけでなく、ハイブリッド車(HV)やプラグインハイブリッド車(PHV)と並び、水素エンジン車もラインアップに加える方針だ。

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水素エンジンの技術的優位性

水素エンジンは、水素を燃焼させる際にCO2を排出しない。また、水素は天然ガスや再生可能エネルギーから製造可能で、供給源の多様化が期待できる。トヨタは2022年、水素エンジンを搭載した実験車両「GRヤリス」を開発し、耐久レースに投入。実用化に向けたデータ収集を進めている。

「水素エンジンは、内燃機関の技術を活かしながら脱炭素を実現できる。特に商用車や大型車両での活用が期待される」と、トヨタの技術開発責任者は語る。

課題と今後の展望

水素エンジンには、水素の貯蔵・輸送コストや、エンジン内部での異常燃焼(バックファイア)の抑制など、技術的課題も残る。また、水素ステーションの整備は日本国内で約160カ所と限定的で、インフラ整備が普及のカギを握る。

トヨタは2023年、水素エンジンを搭載した量産車の販売を開始する計画。まずは商用車や業務用車両から投入し、徐々に乗用車にも展開する見通しだ。世界的なEVシフトの中で、水素エンジンがどの程度のシェアを獲得できるか、注目が集まる。

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