東京ガスは、オーストラリアで水素サプライチェーン構築に向けた大規模な実証実験を開始した。同社は、褐炭(褐炭)から製造した水素を液化し、日本へ海上輸送する計画で、2020年代後半の商用化を目指している。
豪州での実証実験の概要
実証実験は、オーストラリア・ビクトリア州で行われる。同州には豊富な褐炭資源があり、これを原料に水素を製造する。製造した水素は、-253℃に冷却して液化し、専用の船で日本に輸送する。東京ガスは、この実証実験を通じて、水素サプライチェーンの技術的・経済的課題を検証する。
プロジェクトには、日本の他企業やオーストラリアの企業も参加。日本政府も補助金を出しており、総事業費は数百億円規模とみられる。東京ガスは「水素社会の実現に向けた重要な一歩」と位置づけている。
商用化への道筋
東京ガスは、2020年代後半に商用化を目指す。商用化が実現すれば、二酸化炭素(CO2)排出量の削減に貢献できる。水素は燃焼時にCO2を排出しないため、発電や産業用熱源として活用が期待されている。
一方で、課題もある。褐炭から水素を製造する過程でCO2が発生するため、CCS(二酸化炭素回収・貯留)技術の併用が必要だ。東京ガスは、CO2を地中に貯留する計画で、実証実験ではその実効性も検証する。
水素サプライチェーンの将来
東京ガスは、水素サプライチェーンを確立することで、日本のエネルギー安全保障にも貢献したい考えだ。現在、日本はエネルギー資源の多くを輸入に依存しているが、水素は多様な国から調達可能であり、調達リスクの分散につながる。
同社は「水素は将来の主要なエネルギー源の一つ。今回の実証実験を通じて、技術とコストの両面で実現可能性を高めたい」とコメントしている。実証実験は数年間続けられ、その結果は今後の水素政策にも影響を与えそうだ。



