九州4銀行、定期預金でCO2削減クレジット提供の新サービス開始
九州4銀行、定期預金でCO2削減クレジット提供

肥後銀行、大分銀行、宮崎銀行、鹿児島銀行の4行は、定期預金を預け入れた企業に対して、二酸化炭素(CO2)排出量の削減につながる「J―クレジット」を提供する新たなサービスを共同で開始した。地方銀行がJ―クレジットを活用した預金サービスを共同展開するのは全国初の取り組みとなる。

J―クレジットとは何か

J―クレジットは、適切な森林管理や再生可能エネルギーの導入などによるCO2の吸収量や削減量を、国が認証し売買可能なクレジットとして制度化したものだ。企業がこのクレジットを取得すると、自社の事業活動などで排出したCO2と相殺(カーボンオフセット)することが可能となる。4行は、それぞれの地盤とする4県(熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県)の森林管理によって生じるクレジットを共同で調達し、預金企業に提供する仕組みだ。

サービスの詳細と条件

定期預金の期間は1年間で、各行は30億円を上限として7月10日から受け付けを開始している。預金利率は一般の定期預金と同率が適用される。預金5000万円につき、一般家庭2世帯の年間排出量に相当する5トン分のクレジットが付与される。さらに、預金企業にはオリジナルの証明書が贈呈され、満期まで預け入れた顧客の企業名は各行のホームページで公表される。これにより、環境への貢献を可視化し、企業のESG経営を後押しする。

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地銀連携の狙いと背景

「金利ある世界」への移行に伴い銀行の収益環境が改善する一方、融資の原資となる預金の獲得競争は激化している。各行は、金利以外の付加価値として環境貢献を打ち出すことで、預金獲得競争での差別化を図る狙いがある。肥後銀行の担当者は「企業の環境意識は高まっており、4行が連携することで九州全域で事業を行う企業などのニーズも満たせる」と述べている。この連携により、単独では調達が難しいクレジット量を確保し、広域に展開する企業にも対応可能となる。

今後の展望

4行は、今回のサービスを通じて地域の森林保全と企業の脱炭素経営を同時に支援する。今後も連携を強化し、他の地域金融機関への波及も期待される。環境省のデータによれば、J―クレジットの需要は年々増加しており、企業のカーボンニュートラル宣言を後押しする手段として注目されている。

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