ENEOSは8月24日、住友商事、旭化成、JFEスチール、三菱ガス化学、三菱ケミカルとともに、エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)と「先進的CCS事業」に係る業務委託契約を締結したと発表した。6社は岡山県倉敷市の水島エリアを対象とする「水島クラスター」として選定されたもので、国内最大規模のCCS拠点形成を目指すとしている。
船舶輸送型CCSの取り組み
本プロジェクトは、船舶輸送型のCCS(Carbon dioxide Capture and Storage、CO2の回収・貯留)事業において、クラスター形成によるCO2の液化・一時貯蔵・出荷設備の共用化でコスト低減を図るもの。JOGMECが2026年度から新たに実施した公募に基づく。
水島コンビナートの特性を活用
水島には、鉄鋼、化学、自動車、エネルギーなど多様な産業が集積する日本有数のコンビナートがある。電化や再生可能エネルギーの導入だけでは脱炭素化が難しい大規模なCO2排出源が複数立地しており、CCSはコンビナートのGX(グリーントランスフォーメーション)実現に向けた重要な手段の一つと位置づけられている。
6社は、CO2排出源が近接するコンビナートの特性を活かし、分離回収したCO2の液化・一時貯蔵・出荷設備を共同利用するCCSバリューチェーンの構築に向けて、設計・事業性の検討を進める。個社単位ではなく、コンビナート全体で脱炭素化を進めるモデルの構築を目指す。
想定出荷量と今後の展望
水島クラスターから出荷される液化CO2の想定出荷量は、年間343万トンを想定している。国内で検討が進む他地域のクラスターと比較して最大規模の出荷量であり、日本におけるCCSの社会実装を牽引する重要な拠点となることが期待されるとしている。
6社は本プロジェクトを通じ、産業集積の強みを活かしたCCS事業モデルの構築を検討するとともに、水島コンビナートのGX実現に向けた基盤づくりに貢献していくとしている。
JOGMECが今回選定した排出事業者クラスターは、水島のほか川崎、堺泉北、宇部、苅田、松浦があり、計6地域となっている。出荷開始時の液化CO2想定出荷量は6地域合計で年間787万トンとなる。このうち水島は343万トンと約44%を占め、これに次ぐ松浦の200万トンを大きく上回る。これには水島地域に鉄鋼や化学など大規模な排出源が集積していることが影響している。



