中部電力は14日、浜岡原発3、4号機(静岡県)の耐震データ不正問題を巡り、林欣吾社長(65)と勝野哲会長(72)、水野明久相談役(73)の歴代3社長が30日付で引責辞任すると発表した。両号機の再稼働に向けた審査申請の取り下げも決めた。
外部調査委が報告書公表
外部の調査委員会の報告書も14日公表。経営層が担当部門に日程の遅れを叱責したことが圧力として作用し、不正の一因になったと認定した。林氏の後任社長には安井稔取締役(61)を10月1日付で充てる。
中部電では、原発の安全の根幹に関わるデータ不正に加え、他の不祥事も続発。浜岡原発の再稼働は見通せなくなり、国の原子力政策にも大きな打撃となる。
「社内に独自の正当化理論」
報告書では、耐震データの虚偽説明や隠蔽について、早期再稼働への重圧などを背景に「社内に独自の正当化理論があった」と分析した。
林氏は名古屋市内で記者会見を開き「強い不信を招いた」と謝罪。一方で、「浜岡原発の重要性は何ら変わらない」とも強調し、再稼働を将来目指す姿勢を示した。審査申請の取り下げについては、信頼性に重大な疑義が生じ「従前の申請を維持することは適切ではない」とした。
経産相が内部通報の扱いを問題視
赤沢亮正経済産業相はこの日、報道陣の取材に応じ、同社内で問題を指摘する内部通報が適切に扱われなかったことに言及し、「非常に深刻に受け止めている」と指摘。通報者保護を含めた抜本改革を求めた。
データ不正は今年1月に公表された。中部電は8月に浜岡原発1、2号機の廃炉作業の費用請求を巡る書類の改竄を発表するなど不祥事が相次いでいる。



