金利上昇で得する人、沈む人:8大Q&Aで読み解く「金利のある世界」
金利上昇で得する人、沈む人:8大Q&Aで読み解く

31年ぶりとなる政策金利1%の時代が到来した。円相場や住宅ローン、個人の資産運用にどのような影響が及ぶのか。ファイナンシャルプランナーの深野康彦氏(ファイナンシャルリサーチ代表)が、8つのQ&Aを通じて「金利のある世界」の歩き方を指南する。

Q1:金利が上がると誰が得をして、誰が損をする?

深野氏は「金利が上がると、『お金を貸す人』が得をし、『お金を借りる人』が損をします」と明確に定義する。金利とはお金の貸し借りにおける手数料のようなもので、金利上昇は貸し手の収益増、借り手の負担増につながる。

具体的に得をするのは、銀行預金を多く保有する人だ。預金金利が上がれば、これまでより多くの利息を受け取れる。金融資産の大半を預貯金で持つ高齢者は、現役世代よりも総合的に恩恵を受けやすい。次に、これから債券投資をする人も有利になる。債券は国や企業への貸付証明書であり、金利上昇で新規発行債券の利回りが上がるため、貸し手としての収益が拡大する。さらに、貯蓄型生命保険に新規加入する人も恩恵を受ける。保険会社の運用利回り改善により予定利率が引き上げられ、保険料の低下や条件の良い商品選択が可能になる。

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Q2:住宅ローン利用者はどう備えるべき?

変動金利型の住宅ローンを利用している人は、金利上昇により毎月の返済額が増加するリスクがある。深野氏は「固定金利への借り換えや繰り上げ返済を検討するタイミング」と指摘する。一方、固定金利を選択している人は当面影響を受けないが、新規借り入れ時には金利水準が上昇している点に注意が必要だ。

Q3:株式投資への影響は?

金利上昇は株式市場にマイナスに働く場合が多い。企業の借入コスト増加が収益を圧迫し、相対的に債券の魅力が高まるためだ。ただし、金融セクター(銀行、保険)は金利上昇で収益が改善するため、セクターごとの見極めが重要となる。

Q4:預金だけで資産形成は十分?

預金金利が上昇しても、インフレ率を考慮した実質的なリターンは限定的だ。深野氏は「預金は安全資産としての役割を果たすが、長期的な資産形成には債券や株式への分散投資が不可欠」と強調する。

Q5:年金生活者への影響は?

年金生活者は預金収入が増える一方、物価上昇が年金の実質価値を目減りさせる。金利上昇は年金運用の改善にもつながるが、短期的には生活費の増加が課題となる。

Q6:企業の資金調達はどう変わる?

借入コストが増えるため、設備投資や研究開発に慎重になる企業が増える。ただし、自己資本比率の高い企業やキャッシュリッチ企業は影響が限定的で、むしろ競争優位を強める可能性がある。

Q7:為替相場への影響は?

金利差が拡大すれば、円安圧力が強まる。深野氏は「日本の金利上昇が海外との金利差を縮めれば、円高に転じる可能性もある」と解説する。為替変動は輸出企業と輸入企業に異なる影響を与える。

Q8:これからの資産運用の心得は?

「金利のある世界」では、預金だけでは不十分。債券や保険商品を活用しつつ、リスク分散を徹底することが重要だ。深野氏は「自分のリスク許容度を把握し、長期的な視点で運用計画を立ててほしい」とアドバイスする。

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