宇宙航空研究開発機構、月面探査機打ち上げ成功 2027年度着陸へ
宇宙機構、月面探査機打ち上げ成功 27年度着陸へ

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は18日午前、新型月面探査機「SLIM-2」をH3ロケット5号機で種子島宇宙センターから打ち上げた。ロケットは予定通り分離し、探査機は正常に軌道に投入された。着陸目標は2027年度で、前身のSLIM(2024年1月着陸)で達成した精度100m級の着陸技術をさらに進化させ、より高精度な着陸を実証する計画だ。

SLIM-2の目的と特徴

SLIM-2は、月面の特定地点に誤差100m以内で着陸する「ピンポイント着陸技術」の確立を主目的とする。JAXAによれば、今回のミッションでは着陸精度を従来のSLIMよりさらに向上させるため、新たな画像処理アルゴリズムと航法装置を搭載。月周回軌道からの降下中に地表のクレーターや岩石をリアルタイムで認識し、目標地点を自動補正する能力を持つ。

探査機の重量は約730キログラムで、着陸脚には衝撃吸収材を改良。2024年のSLIMでは逆さまに着陸するトラブルが発生したが、今回は姿勢制御システムを強化し、安定した着陸を目指す。

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打ち上げの経過と今後のスケジュール

H3ロケット5号機は18日午前9時30分に打ち上げられ、約30分後にSLIM-2を分離。その後、探査機は地上との通信を確立し、太陽電池パネルを展開した。JAXAの担当者は「打ち上げは完璧だった。今後、月周回軌道に向けて軌道制御を実施する」と述べた。

SLIM-2は地球周回軌道から月遷移軌道に投入され、約4〜5カ月かけて月に向かう。月周回軌道投入後、着陸地点の詳細観測を行い、2027年度中に着陸を試みる。着陸候補地は月の赤道付近の「シャーロット」と呼ばれる領域で、科学観測も行う予定だ。

SLIMとの違いと成果への期待

前身のSLIMは2024年1月に月面着陸に成功したが、エンジン異常で逆さまに着陸。それでも目標地点から55m以内に着陸し、世界初の100m級精度を達成した。SLIM-2はこの教訓を生かし、エンジンの冗長化と着陸シーケンスの改良を施した。JAXA宇宙科学研究所のプロジェクトマネージャは「SLIM-2では、より確実な着陸と、着陸後の観測機器の正常動作を両立させたい」と語る。

また、SLIM-2には小型ローバーも搭載。着陸後、月面を走行して周辺の地形を調査し、将来の有人探査に向けたデータ収集を行う。ローバーはJAXAとトヨタ自動車が共同開発した技術を一部採用している。

日本の月探査計画における位置づけ

今回のミッションは、日本の宇宙開発戦略の一環として位置づけられる。政府は2023年に宇宙基本計画を改定し、2030年代半ばまでの有人月面探査を視野に入れた技術開発を加速。SLIM-2の高精度着陸技術は、将来の月面基地建設や資源探査に不可欠とされる。

JAXAは今後、2028年度に月極域探査機「LUPEX」をインド宇宙研究機関と共同で打ち上げる計画。SLIM-2の成果は、これらの後続ミッションにも活用される見通しだ。

今回の打ち上げ成功で、日本の月探査は新たな段階に入った。JAXAは「SLIM-2の成功が、日本の宇宙技術の信頼性をさらに高める」と期待を寄せている。

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