沖縄美ら海水族館は7月29日、世界で初めてアカマンボウの人工授精および人工ふ化に成功したと発表した。併せて、ふ化した仔魚の展示を水族館1階「深海探検の部屋」で開始した。
長年取り組んできた繁殖生態の解明
アカマンボウは外洋に生息する大型魚類で、生態や生活史の多くが明らかになっていない。同館は繁殖周期を確認するため、県内の市場で生殖腺の調査を行うなど、本種の繁殖生態の解明に長年取り組んできた。
今回、沖縄近海で漁獲された成熟個体から卵と精子を採取し、人工授精を実施。その結果、人工ふ化に成功するとともに、受精からふ化までの発生過程に関する基礎データを取得した。
全長約7ミリの仔魚を展示
ふ化した仔魚は全長約7ミリで、透明で細長い体と、2本の長い腹鰭が特徴。
「今後も仔魚の成長や形態の変化を継続して観察し、摂餌を開始する時期などを調べることで、本種の初期生活史の解明を進めてまいります」としている。
全身性内温性を持つ特異な魚類
アカマンボウは、学名をLampris megalopsis、英名をBigeye Pacific Opahといい、リュウグウノツカイと同じアカマンボウ目に属する。銀色に輝く円盤状の体と鮮やかな赤いひれが特徴で、外洋の表層から水深約500メートルの中層に生息する。
魚類で唯一、全身を周囲の海水より高い温度に保つ「全身性内温性」を獲得するなど、外洋環境に適応した特異な進化を遂げた魚として知られる。



