住友ファーマ(大阪市)は13日、iPS細胞から作った網膜の細胞シートを、目の難病「網膜色素変性症」の患者に移植する臨床試験を米国で開始し、1例目の手術を実施したと発表した。今回の患者を含め計12人に移植し、安全性などを検証する。
網膜色素変性症とは
網膜色素変性症は、光に反応して脳に情報を伝える網膜の「視細胞」が減ることで発症する。暗い場所で物が見えにくくなったり、視野が狭くなったりし、進行すると失明する恐れがある。日本には約3万人、米国には約10万人の患者がいると推定されている。
臨床試験の計画と実施
臨床試験は、米国にある同社の子会社が計画。大阪府吹田市の工場でiPS細胞から網膜細胞シートを作って米国に空輸し、今年に入って患者の片方の目に移植した。患者の年齢や性別は公表していない。
期待される効果と今後の展開
移植されたシートが視細胞を補うことで、視力の改善や病状の進行抑制につながると期待される。日本での実用化は、米国の結果を踏まえて検討するという。
住友ファーマはiPS細胞由来の再生医療製品として、パーキンソン病治療薬「アムシェプリ」を開発し、日本で今年3月、条件・期限付きで承認された。



