日本製鉄は6月17日、同社のチタン素材が登別温泉(北海道)の源泉取水口に設置される礫止めメッシュ(ストレーナー)に採用されたと発表した。このストレーナーは、源泉とともに湧き上がる砂利や砂をせき止め、水中ポンプや配管の詰まり、摩耗、破損を防ぐ役割を担う。
温泉業界が抱える課題
温泉の取水口には、礫や砂をろ過するためのストレーナーが不可欠だ。特に強酸性や硫黄成分を含む過酷な環境では、従来から竹製ストレーナーが使われてきた。竹は腐食せず、ろ過性能も高い合理的な素材だが、伝統技術を持つ職人の減少や手作業による生産数の制約、長い納期が課題となっている。また、水圧や礫の衝突による劣化に加え、近年の環境変化に伴う増水災害や土砂流入による破損など、メンテナンス面の問題も顕在化している。
チタン製ストレーナーの特長
これらの課題を解決するため、日本製鉄はチタン製ストレーナーを試作・提案した。チタンは錆びに強く、軽量で加工性に優れ、金属イオンの溶出が少ないため、温泉周辺の環境や温泉水への悪影響が少ないとされる。これにより、竹製に比べて長寿命でメンテナンス頻度を低減できる可能性がある。
採用事例と今後の展開
同社のチタンは別府温泉でも採用実績があり、今回の登別温泉での事例を横展開することで、温泉業界全体の課題解決や観光客への安定したサービス提供に貢献する考えだ。加工パートナーとの協働により、さまざまな施設向けにチタン製品の提案を進める。なお、今回のストレーナー製作は富安(東京都墨田区)が担当した。



