なぜ「だるまさんがころんだ」は頭を良くするのか?感情に振り回されない行動習慣が身につく3つの遊び
子育て中の親御さんなら、一度は「わが子の地頭をよくしたい」と考えたことがあるでしょう。脳科学者の成田奈緒子先生(文教大学教育学部教授、子育て支援事業「子育て科学アクシス」代表)は、子どもの「論理力」を育むには、体を使った遊びが効果的だと語ります。
「だるまさんがころんだ」や「どーんじゃんけん」は、状況の変化に応じて即座に判断し、行動を決める必要がある遊びです。起こりうるパターンを事前に想定できても、ドキドキハラハラする中では感情が先走り、考え通りに動けなくなるものです。そんな時に必要となるのが、脳の抑制的な働き。「逃げたいけど我慢して動かない」「ずっと安全な場所にいたいけど思い切って走る」といった感情に振り回されない行動を、遊びを通じて習慣づけることが大切です。
子どもの論理力を高めるとは、単に「AだからB」と理屈を言えるようになることではなく、体を使って論理を覚えていくこと。例えば「タオル取り」のような単純な遊びでも、うまくいかずに途中で諦める子もいますが、「つらいけど工夫して練習すればうまくいくはず」と挑戦し続けることで、脳の抑制機能が鍛えられます。
どーんじゃんけん:思考の柔軟さと論理的な判断力を育む
向かい合った2人が歩み寄り、「どーん!」と手を合わせてからじゃんけんをします。負けた方は初めに決めた場所まで逃げ切れば勝ち、途中で捕まったら負け。「負けたら逃げる」「勝ったら追う」という役割を瞬時に理解し、行動を切り替える必要があるため、脳の抑制的な働きが強化されます。体を動かしながら判断と切り替えを繰り返すことで、思考の柔軟さや論理的な判断力の土台が育まれます。また、じゃんけん自体も相手の手を瞬時に見分ける動体視力と、勝敗の瞬間的な判断が必要なため、育脳と深く結びついています。相手とタイミングを合わせることも重要です。
だるまさんがころんだ:感情をコントロールする力を養う
鬼が「だるまさんがころんだ」と言っている間だけ動ける、というルールは、まさに抑制と解放の繰り返し。動きたい衝動を抑え、鬼の動きを注意深く観察しながら、最適なタイミングで前に進む判断力が求められます。この遊びを繰り返すことで、子どもたちは自然と感情のコントロールを学び、論理的な行動パターンを身につけていきます。
タオル取り:あきらめない心を育てる
単純な遊びのように見えますが、相手の動きを読んでタイミングよくタオルを引くには集中力と判断力が必要です。何度も失敗しながらも工夫を重ねて成功を目指すプロセスが、脳の抑制機能を刺激し、粘り強さを育みます。
これらの遊びは、わが子の地頭をよくする「体を使った遊び」ベスト9の一部です。日常に取り入れて、楽しく論理力を育ててみてはいかがでしょうか。



