オーストラリア政府は、2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにする目標を法制化する新たな気候変動対策法案を議会に提出した。同国はこれまで気候変動対策で国際的に後れを取っているとの批判を受けてきた。
法案の概要
この法案は、2050年までの実質ゼロ目標を法律で定めるもので、政府は毎年の進捗状況を報告することが義務付けられる。また、排出削減目標を達成するための計画策定も求められる。
スコット・モリソン首相は、「この法案は、オーストラリアの将来の繁栄と環境保護を両立させるための重要な一歩だ」と述べ、超党派の支持を呼びかけた。
批判の声
しかし、野党の労働党や環境団体からは、目標達成への具体的な道筋が示されていないと批判の声が上がっている。労働党の気候変動担当者は、「目標だけでなく、それを達成するための具体的な政策が必要だ」と指摘。
また、一部の専門家は、現状の排出削減ペースでは目標達成は困難であり、より野心的な対策が求められるとしている。
国際的な動き
オーストラリアは、石炭や天然ガスの主要輸出国であり、気候変動対策と経済成長の両立が課題となっている。今回の法案提出は、11月に開催される国連気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)を前に、国際社会への姿勢を示す狙いがあるとみられる。
アメリカや欧州連合(EU)などがすでに同様の目標を掲げており、オーストラリアも国際的な流れに追随する形となった。



