九州国立博物館(福岡県太宰府市)で開催中の特集展示「九州渡来仏」で、中国・北魏時代の金銅仏「如来坐像」(453年)が展示されている。日本に仏教が伝来する約100年前に作られたもので、国内で見つかった渡来仏としては最古とされる。今回、30年ぶりの公開となった。
「世界中の研究者が注目する」仏像
「欧米を含む世界中の仏教美術研究者が注目している仏様です」。ガラスケースの前で、渡来仏を研究している同博物館主任研究員の大澤信さん(40)が説明した。
如来坐像は像高11.6センチ、台座を含む全体の高さ22.7センチ。四つの脚が付いた台座やウェーブ状に巻き上げられた頭髪、両肩を覆う衣の表現などは、中国で仏像の制作が本格化する北魏時代の特徴とされる。
台座の年号が制作年代を特定
台座正面には「興安二年四月八日」と年号が刻まれ、北魏時代前半の453年に作られたとわかる。台座右側面には「釋迦文佛」の尊名が確認されている。仏教が伝播するなかで、中国でガンダーラ地方の仏像の姿を写して作られた初期の金銅仏で、日本に仏教が伝来(538年または552年)する前後に、朝鮮半島を経由して対馬にもたらされた可能性があるという。
対馬での発見と調査
対馬市で発見されたのは1988年。大澤さんによると、個人が所有し、集落内の小さなほこらで「田福様」として祭られていた。対馬の仏像調査に訪れた韓国の大学教授が発見し、その後、県教育委員会などが現地調査を実施。年号などから北魏時代に制作された仏像だと確認された。
展示は九州国立博物館で30日まで。



