東京大学などが参加する日本とインドネシアの国際研究チームは、絶滅したジャワ原人やフローレス原人も、現生人類(ホモ・サピエンス)の赤ちゃんと同様に未熟な状態で生まれていたことを、頭骨のゆがみから突き止め、専門誌に発表した。
生理的早産とは
同じ霊長類でも、ヒトの赤ちゃんはチンパンジーやゴリラなどの類人猿と違い、頭骨が軟らかく首がすわらない未熟な状態で生まれる。自力で母親にしがみつくこともできない。ヒトは直立二足歩行のため骨盤の幅を大きくできず、出産時の赤ちゃんの脳の大きさが制限されることから妊娠期間が短くなったと考えられ、「生理的早産」と呼ばれる。
研究の手法と結果
生まれたてのヒトの赤ちゃんの頭骨は複数の骨がゆるくつながっており、出生後に脳が急速に成長するのに対応できる。脳の大きさが現生人類と同じ程度のネアンデルタール人でも同様と考えられるが、それより前にいた脳が比較的小さい原人については、研究者の間で一致した見解がなかった。
研究チームは、ヒトの頭骨に生じる「変形性斜頭」と呼ばれるゆがみに注目。まず、計1500以上の大型類人猿とヒトの頭骨のゆがみの程度を統計的に比較し、ヒトでゆがみが大きいことを確認した。次に、ジャワ原人2人とフローレス原人1人の頭骨のゆがみを計測したところ、ヒトと似たタイプで大きなゆがみが見られた。
骨の保存状態の詳細な分析から、地層の圧力で生じたものではなく、変形性斜頭と考えられ、原人も現生人類と同じように「生理的早産」だったと結論づけた。



