小学生が量子力学?児童64人の学校で きっかけは郷土の偉大な先輩
小学生が量子力学?きっかけは郷土の偉大な先輩

大人でも難しいイメージの「量子力学」を、埼玉県久喜市立栢間(かやま)小学校の6年生が学び始めた。きっかけは同校出身の、とある「先輩」の存在。なぜ小学校で量子力学を学ぶことになったのか。その狙いとは?

目には見えない、小さな世界へ

7月1日、6年生の教室。ペンライトで照らした透明なケースをのぞき込み、子どもたちが声を上げた。

「白い線みたいなのが出ている」「本当だ!」

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普段は目に見えない放射線の通り道が、飛行機雲のように可視化される「霧箱」の実験だ。

講師を務めたのは、高エネルギー加速器研究機構(KEK)広報室の栗原良将さん(素粒子物理学)。黒板には大きく「量子力学」の文字。授業の冒頭で栗原さんは「まず、力学って分かる?」と子どもたちに語りかけた。

力学とは、物の動きのルールだ。ワールドカップのサッカーボールも、大谷翔平選手が打った野球ボールも、小さなビー玉も。全部同じ力学で動いて、物の状態と与えた力が分かれば、その後の動きは予測できる。

力学で世の中すべての運動の説明がつくかと思ったら、今から100年ぐらい前に、そうでもないことが分かってきた。

栗原さんはものさしを例に話を続ける。

「一番小さな目盛り1ミリを、頭の中で想像して、どんどん半分に切ってみて。何回ぐらい切れると思う?」

実は二十数回、半分を繰り返すと、原子の大きさになる。そうした小さな世界では、これまでの力学が通用しない。代わりに必要になるのが、量子力学だ。

目には見えない、小さなものたちがうごめく世界。それをのぞいてみるための「霧箱」の実験だった。

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