白血病を16タイプに分類、エピゲノムに応じた治療法の確立へ
白血病16タイプ分類、エピゲノムで治療法選択へ

京都大学などの研究チームは、血液のがんである白血病の一部について、遺伝子のスイッチ「エピゲノム」のタイプによって効果的な薬が異なることを明らかにした。この発見により、患者ごとに最適な治療法を選択できる可能性が高まり、治療効果の向上が期待される。論文は科学誌『ネイチャー』に掲載された。

白血病の現状とエピゲノムの役割

国内では年間約1万5000人が新たに白血病と診断されている。従来は遺伝子変異に基づく治療薬が開発されてきたが、効果が不十分な患者も少なくなかった。遺伝子はタンパク質の設計図であり、エピゲノムはそのタンパク質を作る際のオン・オフを決める化学変化で、「遺伝子のスイッチ」とも呼ばれる。研究チームは、これまであまり注目されてこなかったエピゲノムの違いに着目した。

大規模解析で16タイプに分類

日本とスウェーデンの急性骨髄性白血病患者1563人のがん細胞を解析した結果、エピゲノムのパターンに基づき16のタイプに分類できることが判明。さらに、培養したがん細胞に250種類の薬剤や化合物を投与する実験を行ったところ、エピゲノムのタイプによって効果を示す薬が異なることが確認された。特に一部のタイプでは、慢性骨髄性白血病の治療薬が有効である可能性も示された。

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個別化医療への新たな道筋

研究チームの小川誠司・京都大学教授は「遺伝子変異だけでは見えなかった急性骨髄性白血病の特徴が明らかになった。新薬の発見などにつなげたい」とコメント。また、北海道大学の豊嶋崇徳教授(血液内科学)は「エピゲノムに着目して大規模に解析した世界初の研究だ。患者ごとに治療法を選ぶ『個別化医療』の新たな流れになる可能性がある」と評価している。

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