iPS細胞20年、取材者はあっという間も患者には長く 夢は道半ば
iPS細胞20年 取材者にはあっという間 患者には長く

人工多能性幹細胞(iPS細胞)の作製成功を、山中伸弥・京都大教授が論文で発表してから、8月11日で20年を迎える。この節目の年に、iPS細胞を使ったパーキンソン病と重症心不全の治療製品が、条件・期限付き承認を受けた。パーキンソン病の製品は薬価も決まり、患者への投与が現実味を帯びてきた。

あっという間の20年

発表直後から取材してきた科学報道室の記者にとって、20年はあっという間だった。研究成果を追い、ノーベル賞に沸き、世界初の臨床研究を待ち構えた。やがて取材は、論文を読み解く仕事から、治験の行方を追う夜討ち朝駆けに変わった。科学記事のはずなのに、まるで事件取材のようだった。

舞台裏の火花

舞台裏では、研究者同士の火花も散った。「彼の方法ではだめだ。私の方法こそが正しい」と競い合う一方で、誰もが「早く患者に届けたい」という思いを抱えていた。審査の関門を越えながら、資金が集まらず治験に進めない研究もあった。関係者の悔しそうな表情は、忘れられない。

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患者にとっては長い道のり

一方で、待つ患者にとっては20年はあまりに長かった。iPS細胞の実用化はまだ道半ばであり、承認された製品も条件・期限付きで、さらなる安全性や有効性の確認が必要とされる。iPS細胞研究の夢は今なお続いている。

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