注目ブランド「ソウシオオツキ」デザイナー大月壮士、和魂洋才のスーツで世界を魅了
大月壮士、和魂洋才スーツで世界を魅了

世界的ファッションコンテストで頂点に立った新鋭デザイナー

昨年、世界的なファッションコンテストでグランプリに輝き、今年1月にはイタリアで欧州初のショーを開催した注目の新鋭デザイナーがいる。それが「ソウシオオツキ」のデザイナー、大月壮士さん(35)だ。日本人ならではの視点を取り入れたスーツなど、和魂洋才のデザインを得意とする大月さんに、服作りへの熱い思いを詳しく聞いた。

西洋のスーツを日本流に解釈した独創的なデザイン

襟の一部に裏地をのぞかせたり、襟先をくるりと丸めたりしたジャケット、刺し子の刺しゅうを施して仕上げたスーツ――。大月さんの作品は伝統的な西洋スーツの概念を大胆に再解釈している。1月中旬にフィレンツェで行われた紳士服の国際見本市「ピッティ・イマージネ・ウオモ」のショーでは、肩幅を強調したジャケットや派手な色のシャツなど、独創的な提案が注目を集めた。

イタリア製のスーツが流行した1980~90年代の日本のバブル期が着想源という大月さん。現地のファッション関係者からは「静かな力強さがある。セクシーさも感じられ、ジョルジオ・アルマーニの作品のよう」との高い評価も得ている。

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日本人としてのアイデンティティを大切に

デザイナーへの道を志したきっかけは、東京・原宿で古着を買っておしゃれを楽しんだ高校時代に遡る。世界的なデザイナー、エディ・スリマンさんが手がけたショーの動画を見て、「こんな世界があるんだと驚き、衝撃を受けた」という。

卒業後、文化服装学院で服作りを学び、デザイナーを養成する私塾「ここのがっこう」にも通った。2015年に自身の名を冠したブランドを設立した大月さんは、「自分には海外で学び、働いた経験がない。コンプレックスでもあったけれど、日本人であることを大事にしている」と語る。

袈裟から着想した形、着物を思わせるひもを結ぶデザインなど、西洋発のスーツを自分のルーツと向き合いながら制作してきた。生産の98%は国内で行われており、「日本の工場や職人と丁寧にものづくりを進めている」という姿勢が作品の質の高さを支えている。

国際的な評価と今後の展望

「日本流のテーラーリング(紳士服の仕立て技術)」が高く評価され、昨年9月には世界的コンテスト「LVMHプライズ」を受賞。応募した約2300組の頂点に立った。さらに12月にはスペインのブランド「ザラ」と協業し、世界で商品を販売するなど、国際的な活躍の場を着実に広げている。

現在も従業員は自分一人という小規模な体制を維持しているが、めまぐるしい環境の変化にも対応しながら、「手応えは感じている。この先予定している企画や協業を確かなものにしていきたい」と前向きな姿勢を見せる。

寡黙なデザイナーは、真っすぐに未来を見つめながら、日本独自の美意識を世界に発信し続けている。大月壮士さんの今後の活躍から目が離せない。

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