脚本家の倉本聰さんが18日、91歳で死去した。昭和から平成、令和に至るまで日本のドラマを先導し、日本人の幸せとは何かを問い続けた倉本さん。その死を受け、テレビ朝日は28日、倉本さんが生前に書き上げていた新作ドラマ「神様からの遺言」を来年放送予定だと発表した。
「ラストメッセージ」と語った新作ドラマ
「神様からの遺言」は、倉本さんの実話を基に創作された脚本家を巡るヒューマンドラマ。現在のテレビ界への思いや、自らの老いとともに感じた死生観が込められているという。倉本さんはこの作品について「これがラストメッセージだ」と話していたとされる。
テレビ朝日は「先生が込めたメッセージを真摯に受け止め、その魂を大切に作品を皆様にお届けできるよう準備してまいります」とコメントしている。
倉本さんを悼む声、ゆかりの俳優や歌手ら
倉本作品に出演した俳優や関係者らが、その死を悼んだ。ドラマ「北の国から」で20年以上にわたって主人公一家の長男、黒板純役を演じた俳優の吉岡秀隆さん(56)は「倉本先生と出会えたこと、神様に感謝します」と追悼コメントを発表した。
同ドラマの主題歌を手がけた歌手のさだまさしさん(74)は、8月9日に富良野市内で行われた「北の国から スペシャルコンサート」に出演。その際、倉本さんが「北の国から 2002遺言」の中で、純の父・五郎(田中邦衛さん)が子供たちにあてた『遺言』をステージで朗読したエピソードを自身のSNSで紹介した。「今思えばあれば我々への格好良すぎる遺言でした」などとつづった。
ドラマ「やすらぎの郷」(17年)などに主演した俳優の石坂浩二さん(85)は「世の中の価値観や流行が移り変わっても、それに合わせることなく、人間を見つめ続けていらした。その変わらない姿勢こそが、倉本さんの尊さであり、倉本さんらしさだったのだと思います」としのんだ。
倉本さんは8月29日、地元の北海道富良野市でファンに向けて自身の作品などについて語るイベントに出席していた。その数日後、自身のホームページでは「僕ももうじき死ぬンで、今お墓を作ってます。たまにはお墓参りに来て下さいね」などとユーモアを交えてつづっていた。