山梨県の特産品であるぶどうの2026年産収穫量が、過去最高を記録したことが、県のまとめで分かった。気候変動の影響による生育期間の長期化が主な要因とみられ、県は今後の品質維持に向けた対策を検討している。
収穫量は前年比15%増の約5万トン
山梨県農政部が発表したデータによると、2026年産ぶどうの収穫量は約5万トンに達し、前年比で約15%増加した。これは統計を取り始めた1950年以降で最多となり、従来の最高記録であった2021年の約4万8000トンを上回った。
県内の主要品種である「巨峰」や「シャインマスカット」の収穫量もそれぞれ増加し、特にシャインマスカットは前年比20%増の約1万2000トンと大きく伸びた。県担当者は「温暖化により生育期間が長くなり、果実の肥大が促進された可能性がある」と分析する。
温暖化が生育に影響か
気象庁のデータによると、2026年の山梨県の平均気温は平年より1.2度高く、特に春から夏にかけての気温上昇が顕著だった。ぶどうの生育には適度な高温が必要だが、過度な高温は品質低下を招く恐れもある。
県果樹試験場の研究員は「気温上昇によりぶどうの成熟が早まり、収穫時期が前年より約1週間早まった。一方で、糖度や酸度のバランスに変化が見られ、一部の農家からは味の変化を指摘する声も上がっている」と話す。
県は品質維持へ対策検討
収穫量の増加は生産者にとって歓迎すべきことだが、品質の維持が課題となっている。県は2027年度から、温暖化に対応した栽培技術の開発や、新品種の導入を促進するための補助金制度を新設する方針だ。
山梨県知事は「記録的な収穫量を達成したことは喜ばしいが、持続可能なぶどう生産のためには気候変動への適応が不可欠だ。県として積極的に支援していく」とコメントしている。
また、県は収穫量増加に伴う価格下落を防ぐため、ブランド力強化や海外輸出の拡大にも取り組む考えだ。山梨県のぶどうは、国内市場だけでなく、アジアを中心に海外からの需要も高まっている。



