今年5月に発表された「LINEマンガ13周年!推しマンガ総選挙」の「1話目で心掴まれたマンガ」部門で、ウェブトゥーン作品が上位3位を独占した。紙とデジタルを問わず第1話の重要性は共通するが、なぜウェブトゥーンが上位を占めたのか。LINEマンガの広報担当・廣田佳穂氏は、ウェブトゥーンのフォーマットが読者の印象に影響していると分析する。
フルカラーと縦スクロールが生む没入感
ウェブトゥーンの特徴の一つがフルカラーである。ランキング上位3作品はいずれもロマンスファンタジーで、王族や貴族など現実から離れた世界観も、カラーで描かれることで読者は多くの情報を無意識に得られ、作品世界に引き込まれやすい。また、縦スクロール形式はコマ間の余白が演出として機能し、時間の経過や心理描写を表現。スクロール動作そのものが驚きや緊張感を生み、没入感を高めている。
スマホでの読書体験の違い
廣田氏は、ウェブトゥーンと横読みマンガの違いは「読む」行為そのものにあると説明。ウェブトゥーンはスマートフォンでの閲覧に最適化され、片手でスクロールしながら読むため、視線の動きが少なく、物語に集中しやすいという。
ベスト3作品の特徴
「1話目で心掴まれたマンガ」部門のベスト3は、いずれもロマンスファンタジー。1位の『再婚承認を要求します』は、皇后ナビエが皇帝に離婚を突きつけられ、隣国の王との再婚を宣言する物語。2位の『泣いてみろ、乞うてもいい』は、少女レイラと若き公爵マティアスの執着と愛情を描く。3位の『問題な王子様』は、令嬢エルナと問題児王子の政略結婚から始まるすれ違いのロマンス。いずれもフルカラーと縦スクロールを活用し、読者を引き込む。
プロローグの役割
ウェブトゥーンでは、本編前に物語の未来図を示すプロローグを配置する手法がよく取られる。これにより読者は結末への安心感を得て、そこに至るプロセスを楽しめる。こうした導入設計も「1話で心を掴まれた」評価につながっていると廣田氏は指摘する。



