のび太に学ぶ「ダメ人間」の強みと自分探しからの脱却法
のび太に学ぶ「ダメ人間」の強みと自分探しからの脱却法

富山大学名誉教授でドラえもんアナリストの横山泰行氏は、『ドラえもん』に登場する野比のび太を題材に、自分探しに迷う現代人へのヒントを提示している。のび太は勉強も運動も苦手で、しばしば「ダメ人間」と評されるが、そのような特性が結果的に強みになることもあるという。

子ども時代の純粋な気持ちを思い出す

横山氏は、もし自分が子どもの頃の純粋な気持ちや大きな夢を忘れそうになったら、祖父母と過ごした時間を思い出すことを勧める。祖父母の前では、誰もが最高に素直な自分でいられたはずだからだ。

人と比較することなく、自分らしさを取り戻すための第一歩として、過去の純粋な感情に立ち返る重要性が示されている。

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のび太と「人生やりなおし機」

横山氏は、『てんとう虫コミックス ドラえもん 第15巻』(小学館)の第11話「人生やりなおし機」のエピソードを紹介している。ある日、のび太のママが知り合いの4歳の男の子が字を書いたり数字を数えたりできることを褒めているのを見て、のび太も自分を褒めてもらいたいと思い、正しく計算してみせた。13たす26は39。しかし、ママからは「むこうへいってらっしゃい」と叱られてしまった。

「不公平だよ! ぼくのほうがずっとうまくできるのに、ほめてくれない」とのび太が不平を言うと、ドラえもんは「そりゃ、きみは四年生だもの」と笑って答えた。のび太は口を尖らせて「四歳と四年じゃ、たった一字のちがいじゃないか! あああ、頭の中身は今のまんで、四歳にもどりたい」と言い返す。

そこでドラえもんは、ひみつ道具「人生やりなおし機」を出す。この道具は、頭の中身と体力は今のままで、昔に戻って人生をやり直すことができる優れものだ。4年生の状態で4歳に戻ったのび太は、最初は天才少年とちやほやされるが、そのまま成長しても今よりダメな自分になってしまうと悟り、人生をやり直すことを断念する。

後悔との向き合い方

横山氏は、誰にでも「やり直しができたら」と思うことがあると指摘する。「学生時代にもっと勉強しておけばよかった」「あのとき、本当はもっと頑張れたはずなのに」といった後悔はよくあるが、そのときはそのときなりに頑張ってきたはずだと述べている。

のび太のエピソードは、過去をやり直すよりも、現在の自分を受け入れ、弱みを強みに変えることの大切さを教えている。横山氏は、自分探しにのめり込むあまり、現実から逃避するのではなく、ありのままの自分を認めることが重要だと強調する。

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