阪急交通社は2026年9月10日、「旅行関係の新語に関する知名度調査」の結果を発表した。調査は2026年5月15日から5月22日にかけて、全国の20代以上の男女518人を対象にWebアンケートで実施された。
上位は新しい働き方や旅行スタイルを反映
調査では、「実際に行ったこと、やったことがある」「何のことか知っている」「聞いたことがあるが、何のことかよく知らない」を選んだ人の合計を知名度として集計。1位は「ワーケーション」、2位は「オールインクルーシブ」、3位は「マイクロツーリズム」となった。多様な働き方や体験・過ごし方の質、新しい旅行スタイルを反映した言葉が上位に並んだ。
4位は「イマーシブ体験(没入型体験)」、5位は「タウンサイジング」。そのほか、「チル旅」「旅ガチャ」といった気軽さや遊び心を感じさせる新語もランクインした。一方、「クールケーション」は今回の中で最も知名度が低かったものの、世界的な猛暑を背景に認知度を上げ、定着しつつあるという。※「オーバーツーリズム」をはじめ、体験を伴わない用語は選択肢から除かれている。
各新語の内容と特徴
1位の「ワーケーション」は、「ワーク(仕事)」と「バケーション(休暇)」を組み合わせた言葉で、観光地やリゾートなどの旅先で働きながら休暇も楽しむ過ごし方を指す。新型コロナウイルスの流行を機にテレワークが広がり、働く場所の自由度が高まったことで注目を集めた。
2位の「オールインクルーシブ」は、宿泊代に食事や飲み物、各種アクティビティなどの料金があらかじめ含まれている滞在スタイル。追加での支払いを気にせず施設のサービスを楽しめることから人気となり、採用するホテル・旅館も増えている。
3位の「マイクロツーリズム」は、自宅から1〜2時間程度の近場を訪れる近距離の旅行スタイル。遠出を控える傾向が高まった時期に、身近な地域の魅力を再発見する旅として注目された。
4位の「イマーシブ体験」は「没入型体験」とも呼ばれ、映像や音響、演出などの最新技術を駆使し、物語や仮想空間の世界に入り込んだかのような感覚を味わえる体験。デジタル技術の進化を背景に、美術館やテーマパーク、観光施設などさまざまな場面で取り入れられている。
5位の「タウンサイジング」は、大都市ではなく地方の小さな町に滞在し、その土地ならではの暮らしや文化に触れる米国発のスタイル。喧騒から離れて心を落ち着かせたいという志向の高まりや、ローカルな暮らしへの憧れを背景に注目されるようになった。
6位の「リトリート」は、もともと「避難」や「隠れ家」などを意味する言葉で、日常から離れた静かな環境に身を置き、心身を整える過ごし方を指す。自然豊かな場所でゆったりとした時間を過ごし、ヨガや瞑想、温泉などでリフレッシュする旅のスタイルとして広がった。
7位の「チル旅」は、「まったりと過ごす」「くつろぐ」という意味の英語「chill(チル)」に由来する旅のスタイル。観光名所をめぐることよりも、カフェでくつろいだり景色を眺めたりしながら、ゆるやかな時間そのものを楽しむ。
8位は3つの新語が同率で「ライブツーリズム」「アドベンチャーツーリズム」「旅ガチャ」。「ライブツーリズム」は、コンサートや音楽ライブ、スポーツの試合などへの参加を目的に旅をするスタイル。「アドベンチャーツーリズム」は、自然、アクティビティ、文化体験の3つの要素のうち、2つ以上を組み合わせた旅行スタイル。「旅ガチャ」は、カプセルトイの「ガチャ」のように、行き先や旅程をあえて運任せにして決める旅の楽しみ方だ。
11位は「ファンツーリズム」で、特定のスポーツチームや芸能人、アニメ、キャラクターなどのファンとしての活動を目的とした旅行。12位の「サ旅」は、サウナを主な目的として全国各地の温浴施設やリゾート地をめぐる旅行スタイル。13位の「おてつたび」は、「お手伝い(短期アルバイト)」と「旅」を組み合わせた人材マッチングサービスの名称で、2025年の新語・流行語大賞にノミネートされた。
14位の「ウェルネスツーリズム」は、旅を通じて心身の健康づくりを目指す過ごし方。15位の「バケーションレンタル」は、コンドミニアムや別荘などの貸切物件を一定期間レンタルして滞在する旅行スタイル。16位の「ガストロノミーツーリズム」は、その土地の食材や料理、食文化に触れることを主な目的とした旅のスタイル。
17位の「チェアリング」は、持ち運びができる折りたたみ椅子をお気に入りの場所に設置し、のんびりと景色や時間を楽しむスタイル。18位の「クールケーション」は、「クール(涼しい)」と「バケーション(休暇)」を組み合わせた言葉で、暑さを避けて涼しい地域で過ごす旅のスタイル。年々厳しさを増す夏の暑さを背景に、涼を求めて過ごし方を工夫する旅として注目されている。



