東京都中野区の中野ブロードウェイで25日、高級腕時計4本(被害総額2億円相当)が盗まれる事件が発生した。かつてはサブカルチャー商品を扱う店舗が集まる「聖地」として知られていたが、近年はインバウンド需要を見込んだ高級腕時計店が進出し、「時計の聖地」の異名を取っていた。
築60年のビルに約200店舗
中野ブロードウェイは1966年に開業。JR中野駅から約300メートル伸びる「中野サンモール商店街」の北端に位置する地上10階建てのビルで、地下1階から地上4階にかけて生鮮食品から衣料品、マニア向けグッズまで幅広い品を扱う約200店舗が入居する。
中野区観光協会によると、商店街と合わせた来客数は平日は約2〜4万人、土日は約3〜5万人。年間では約1千万人に上るという。
「時計の聖地」としての顔
開業時は第2次高度成長期の波に乗った巨大高級集合住宅として評判になった。5階以上は居住者のみの専用エリアで、屋上には専用プールや家庭菜園などが設けられた。かつては「ジュリー」こと歌手の沢田研二さんや青島幸男元都知事(故人)が住んでいたことで知られる。
施設の公式サイトは、「現在のように『サブカルの聖地』として名を知らしめるようになったのは、91年のバブル崩壊後から」と説明する。牽引したのは、80年に開店した漫画専門古書店「まんだらけ」。同店が「コレクター文化」の発展とともに施設内で店舗を増やしたのに呼応するように、さまざまなジャンルのマニア向け店舗が集まってきたという。
なかでもアニメ関連の専門店の人気は高く、外国人観光客の来店も多い。近年は高級腕時計を扱う店が増え、「時計の聖地」とも呼ばれるように。窃盗犯が目を付けるきっかけになった可能性がある。
新たな「ベンチャービジネスの起点」に
公式サイトによると、最近は「ベンチャービジネスの起点」としても注目されている。ビットコインや3Dプリンターなど新しい業態の店舗も増え、「カオス化が進んでいる」という。



