2026年のトレンド鍋は「背徳鍋」に決定、麻辣湯風や二郎系アレンジで豪快に
2026年トレンド鍋は「背徳鍋」麻辣湯風や二郎系で

ぐるなび(東京)は、2026年のトレンド鍋として、肉やチーズなどの高カロリー食材や大量のニンニクを詰め込んだ「背徳鍋」を選定した。今年、メニューなどで「背徳」を取り扱う飲食店の件数は、昨年と比べて約2.3倍に伸長。20~60代のぐるなび会員1300人を対象にした「背徳鍋に関するアンケート調査」では、「背徳グルメを食べることがありますか」との質問に「よく食べる」「たまに食べる」と回答した人が合わせて約53%に上った。

「背徳ブーム」が今年さらに盛り上がり

外食ビジネスアナリストの三輪大輔さんは、選定理由について「背徳ブームは長く続いていますが、今年さらに盛り上がったというのが理由の一つにあると思います。コロナ禍で閉塞的になり、何か楽しみがほしいとなった時、『ギルティー(罪深い)』に話題が集まったのが、ブームの始まりです。特に今年は、健康志向の裏返しで『ギルティー』に消費者の注目が高まり、飲食店では集客の課題解決策として『ギルティー』を取り入れる動きが多く見られました」と説明する。

背徳鍋は、カロリーや栄養バランスを制御せず、好きな具材を豪快に盛り付けるのが特徴で、ご褒美感や非日常感のある食体験ができる。三輪さんは「インパクトがあるから、『あの時、あれ食べたよね』などと思い出として残ります。鍋にはルールがなく、『和にするならチーズは合わないかもね』などと軸さえ決めていれば、大きく失敗することはない。子どもたちのアイデアを取り入れて、家族みんなで鍋を作り上げる楽しみを体感できるはずです」と話す。

飲食店の「背徳鍋」実例と家庭での再現法

はかた地どり専門店「福栄組合」では、今年から「背徳鶏皮 麻辣鶏鍋」を提供する。うま辛い麻辣と、カリカリの鶏皮、たっぷりの背脂が一体となった麻辣鍋だ。同店を運営するKICHIRI(東京)のスーパーバイザー・小西裕斗さんは「麻辣湯は、どちらかというと女性に好まれる印象があり、背徳鍋でも女性の人気が得られると思い、考案しました。味は麻辣湯と基本的には変わらず、麻辣湯が鍋料理風になったイメージです。麻辣湯にはあまり入らないモヤシやキャベツなどもたくさん入っていて、野菜のだしと肉のうまみが合わさっているので、おいしく召し上がっていただけます」と話す。家庭では、市販の麻辣湯のスープのもとを使い、コチュジャンなどの辛みとだしのうまみを調整しながら作ることができる。

居酒屋「忍家」の「海老二郎鍋」は、「マシマシのヤサイ・ニンニク・脂」という二郎系ラーメンの世界観を軸に、エビの香りとうまみを強調したしょうゆベースの鍋だ。同店を運営するホリイフードサービス(茨城)の松ヶ根廉さんは「背徳感の象徴とも言える次郎系の『好きな物を好きなだけ豪快に楽しむ』という魅力を鍋に表現しました。山盛りの野菜、ニンニクたっぷりの背脂、さらにその周りをエビで埋め尽くすことで、見た瞬間に『これはすごい』と感じる圧倒的なビジュアルにしました。ただボリュームがあるだけでなく、エビの香りとうまみをしっかりと感じられるしょうゆベースにすることで、最後まで箸が進む味わいに仕上げています」と説明する。家庭では刺し身用のエビで代用し、市販のもつ鍋用のしょうゆ系スープを使うのがおすすめだという。

ホルモン居酒屋「芝浦食肉」の「背徳にんにくマシマシもつ鍋」は、約6センチの太いホルモンと厚切りチャーシューに、背脂とニンニクを利かせ、秘伝のスープで仕上げた鍋だ。同店を運営するAP B.CUE(東京)の田中裕大社長は「ホルモンとチャーシューを両方使うことで、二郎系の満足感が味わえます。実は、背徳鍋は2019年にも提供したことがあります。弊店にお越しになるのは、カロリーラバーの方が多いのですが、『もっと肉感を』と希望されるお客様に向けて考案しました。今回の背徳鍋は、チャーシューを厚めにしての全体のインパクトを出すなどして、バージョンアップしています」と話す。家庭では、市販の二郎系スープのもとを使い、野菜を下に敷いて背脂をのせると、食材のうまみが野菜に浸透しておいしく食べられるという。