西山朋佳白玲が会見、棋士になるか「冷静な状態で考えたい」
西山朋佳白玲が会見「冷静な状態で考えたい」

将棋の西山朋佳白玲(31)が10日、第6期白玲戦七番勝負で4勝1敗で防衛し、白玲通算5期を達成した。永世称号の「クイーン白玲」の資格と、棋士になる権利を獲得した。対局の舞台になった金沢市のホテルで西山白玲が記者会見した。

「すごく濃厚な将棋が多かった」

今回の白玲防衛の感想を問われ、「今回の白玲戦は特に、持ち時間をフルに使い切るような将棋も多くて、二転三転する内容もあったりと、すごく濃厚な将棋が多かったかなと思っています」と振り返った。課題だった「序盤で大きく失点しないように」についても、「大きなうっかりはなく進行できたことは良かったかなと思っています」と語った。

今期七番勝負でポイントとなった対局については、「もちろん本局は記憶に新しいんですけれど、第1局は劣勢の将棋を粘りに粘ってなんとか逆転できた一局で……。本当に負けてもおかしくなかった内容なんですけれど、勝ちを拾えたことが大きかったかなと思っています」と述べた。

クイーン白玲の称号有資格者となった心境

今回の防衛でクイーン白玲の称号有資格者となったことについては、「対局に向かうにあたっては意識していないところではあったんですけれど、このように取り上げていただいて、やはりクイーン称号になるまで長い道のりではあったので、一つ結果として残していただけることを光栄に思っております」と話した。

棋士編入の資格について、終局から少し時間が経ったが意向に変化はないかと問われると、「すぐにはお答えできないかなと思っておりまして、本当にタイトル戦を戦うにあたって(棋士編入の権利を行使するかどうかは)一切考えないようにしていましたので、少し落ち着いて検討していけたらなと思っております」と述べた。

検討にあたって家族や師匠ら周囲の人との相談を踏まえて判断されるという理解でいいかとの質問には、「女流棋士として本当にたくさんの方にお世話になって、こうして将棋を指せていると思っておりますので、いろんな方のご意見等も伺っていけたらと思っております」と答えた。

「女流棋界を大きく活性化していただくような動き」

「女性として初めて棋士の資格を得た」ことについての受け止めを問われ、「新しくできた規定で白玲5期という最高棋戦の評価をこのような形でしてくださったということで、女流棋界を大きく活性化していただくような動きだと、すごくありがたく思っております」と語った。

「シリーズ中は(棋士になる)資格のことについては考えないようにした」というのは、余計な雑念を入れず対局に臨むことが大事という考えだったのかとの質問には、「今シリーズも今日も苦しい局面はありまして、星取りも本当に真逆でもおかしくないような接戦だったと思っています。できるだけ精一杯戦う上で必要なコンディションの整え方だったのかなと思っています」と述べた。

先ほど「女流棋界を大きく活性化していただくような動き」と表現されたが、活性化するような資格を獲得されたことについては、「女流順位戦を創設していただいて、完全に、全女流棋士の現時点での順位が可視化できるようになったという側面もあると思います。その中で、そのタイトルを獲得できたことはとても光栄なことですし、身の引き締まる思いも感じています」と語った。

今後の検討と公表方法

これから2週間ほどの期限で(棋士になるかどうかを)考えられると思うが、どういうふうに考えたいと思っているかとの質問には、「私自身だけの問題ではないと思っているので、お世話になっている方であったり、家族もいますので、いろいろ話し合いの中で方針を決めていければいいなと思っております」と述べた。

ここまでの将棋人生を振り返ると、「苦しいことも多かったんですけれど、総合して充実できているかなとは思います」と語った。

もし棋士になった場合は女流棋戦との二刀流にもなっていくが、検討するときに考える要素になるかとの質問には、「前例のないことなので、規定であったり、どういったことになっているかっていうのも確認して……。検討していくことになるのかなと思います」と述べた。

「自分だけで決められることじゃない」と言ったが、一番大切なのは白玲自身の気持ちだろうなとも思う。今、棋士になることに対して純粋な思いはとの質問には、「こうして皆さんにご足労いただいて、本当に申し訳ないんですけれど、今、本当に先ほど対局が終わった状態で、結構疲労困憊の状態ではあるので、冷静な状態でちょっと考え直したいなというふうに思っております」と答えた。

福間女流四冠とは白玲戦でも何度もぶつかってきたと思うが、白玲戦を通して福間女流四冠への思いだとか、今回、福間さんに勝って防衛したことに思いはあるかとの質問には、「福間さんは、私よりずっと長くタイトルをほとんど保持されて、ずっと同じ熱量で戦われているような印象もありまして……。その変わらない探究心を、間近で感じる機会が多いので、私自身すごく刺激を受けますし、そのような絶対王者の方から結果を得られることは一つの大きな自信になるかなと思っております」と語った。

福間香奈女流王位より先に棋士編入の資格を得た点については、「競争を意識しているわけではなかったので。とにかく、このシリーズになんとか勝てたことをとても今はうれしく思っております」と述べた。

今後、熟考して結論を出すことになると思うが、どういった形で公表する予定かとの質問には、「何かしらの形で表明をさせていただくんですけれども、(日本将棋)連盟の方々とも話し合わせていただいて、という形になるかなと思っております」と述べた。