ブラジル料理といえば、大きな肉のかたまりを炭火で焼く「シュラスコ」がよく知られている。ヒレ、ハラミ、コブ……。部位が多くて覚えきれないが、とりあえず定番の「ピッカーニャ」さえ頭に入れておけば、間違いない。実はかつて、全く注目されていない部位だったそうだ。
「世界初」を主張する2代目
支局から歩いて5分の場所にある高級レストラン「DINHO'S(ジーニョス)」の2代目、パウロ・ゼガイブさん(60)は「ピッカーニャを世界で初めてシュラスコで提供したのは、私の父でした」と誇らしげに語る。
シェフだったゼガイブさんの父は、1960年の創業当時、食肉加工業の友人の工場を訪ねた。「これ、シュラスコに向いているかも」。目にとまったのは、イスラエルに輸出される部位から切り離され、残っていたピッカーニャだった。
独自のカット法と焼き方
肉の表面に肉汁が上がってきたタイミングで裏返す。昔はまるごと串に刺して焼いていたが、ムラなく焼くために独自のカット法を編み出し、現在はブロック状に切ってから焼くという。
3年前に移転したばかりの店は、高級感が漂う。試しに店で焼いて提供すると、その評判は広がっていった。