『それ、死後もお宝ですか?』(古田雄介著、集英社インターナショナル、1870円)は、本人にしか価値が分からない「お宝」を、死後にどう処理するかを考える一冊だ。断捨離やミニマリストの流行を経て「所有」の意味が見直される一方、大量のコレクションを持つことに後ろめたさを感じる人もいる。
「お宝」と「市場価値」はイコールではない
著者はノンフィクションライターで「デジタル遺品を考える会」代表の古田雄介さん。1977年愛知県生まれ。名古屋工業大学卒業後、ゼネコンや葬儀社勤務を経てフリーとなった。
本書では、遺された私物を「売る」「託す・渡す」「捨てる」という現代の現実が厳しいものであると指摘。いずれの場合も費用がかかり、売る場合でも量によっては作業費用が発生してマイナスになることがある。さらに、形を持たないデジタルコンテンツは遺族にとってログインの壁が立ちはだかる。
目録作成が「見える化」の鍵
物もデジタルも、家族がすぐにアクセスできる目録を作成して「見える化」することが重要だと本書は説く。それは家族への愛情表現のひとつの形であり、きれいに整理された目録は後を濁さない鮮やかな印象を残すという。
趣味を楽しみ、私物を集めることも豊かな人生の一部。本書は、本人にしか分類できない「お宝」をどう後世に託すか、その具体的な方法を提示している。