妻殺害事件で取材受け続ける父と異なる思いの息子、FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品が放送
妻殺害事件 取材受け続ける父と息子の距離 FNSドキュメンタリー

第35回FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品『父はなぜ カメラの前に立つのか』(東海テレビ制作)が、フジテレビで21日(26:45~ ※関東ローカル)に放送される。26年間未解決だった妻殺害事件の容疑者逮捕後も取材を受け続ける父と、異なる思いを抱く息子を見つめる内容だ。

事件の経緯と父の姿勢

1999年11月、名古屋市西区で高羽奈美子さんが殺害された事件は、長年にわたって未解決となっていたが、2025年10月31日、女が殺人容疑で逮捕された。直後から、奈美子さんの夫・高羽悟さんのもとには報道各社の取材依頼が殺到。連日の対応に追われながらも、悟さんは依頼を断ることなく、一つ一つ丁寧に応じていった。

悟さんは事件の容疑者が逮捕される前から、「遺族も笑っていい。元気な姿を見せ、犯人を喜ばせたくない」と語り、メディアの前に立ち続けてきた。番組は、なぜ悟さんが多忙や疲労の中でも取材を受け続けるのか、その姿勢を支える思いに迫る。同時に、取材対応が悟さん自身に大きな負担となっていないのかという問いにも向き合っていく。

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父と息子の距離

一方、東京で暮らす息子の航平さんは、父とは異なる思いを抱いている。幼い頃から父とともに事件解決を訴えるビラ配りを行い、その姿をメディアに取り上げられてきた。容疑者逮捕後も、奈美子さんの法要や犯罪被害者遺族会の活動などで取材を受けているが、「事件として一区切りついた。できれば誰の目にも触れず過ごしていきたい」と胸の内を明かす。

共に事件解決を願い、長年にわたって取材を受けてきた父と息子。しかし、容疑者の逮捕を境に、メディアとの距離の取り方には違いが生まれていく。取材を受け続ける父の姿は、息子の目にどう映っているのか。事件後を生きる親子の日常を通して、番組は被害者遺族とメディア、そして父と息子の関係を描く。

ディレクターの回想

東海テレビ報道部の杉山真一ディレクターは、容疑者逮捕が発表された2025年10月31日を回想。「2025年10月31日夕方。愛知県警記者クラブに貼り出された一枚の紙には『名古屋市西区稲生町5丁目主婦殺人事件の被疑者逮捕』と書かれていました。26年間未解決だった事件の犯人逮捕。私は数秒間、状況をのみ込めず、頭が真っ白になりました」と語る。

悟さんの滞在先へ向かうと、ほどなくして報道陣が次々に集まり、囲み取材が始まったという。逮捕の前後で変わらない悟さんのメディアへの向き合い方に強い関心を抱いた杉山氏は、その思いを探るため、「一枚一枚心の皮を剥いでいくような思い」で取材を重ねたと説明。「遺族一人一人の中にある重層的な感情に、じっくり触れさせていただきました」と振り返り、「取材に応じていただいた皆さまに、心より感謝申し上げます」と述べている。

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