徳島市の阿波おどり(15日まで)で、技量が高い有名連「ほんま連」に所属する米国出身で同市在住のルイス・ウェイドさん(52)が、鳴り物の大太鼓として初めて本番の舞台を踏んだ。力強い音でお囃子「ぞめき」のリズムを支えた。
初舞台で笑み
屋外での演舞が始まった12日、ほんま連は午後10時頃にこの日最後の舞を藍場浜演舞場で披露した。その中に、懸命に大太鼓をたたき続けるウェイドさんの姿があった。終了が近づき、ぞめきのリズムが速まると、ようやく笑みがこぼれた。「観客と距離が近く、楽しみながら演奏できた」と充実感を漂わせた。
徳島との縁
ウェイドさんは米・モンタナ州出身で、19歳の頃に宣教師として来日。日本文化が気に入り、知人の勧めで徳島に住み始めた。家庭教師として働いた後、いったん帰国し、米国の大学で四国八十八か所霊場巡りなどをテーマに研究。2005年頃に徳島に戻って英会話教室を開いた。
徳島には計30年以上滞在しているが、阿波おどりは毎年見るだけだったという。50歳を過ぎてから「何か人生にスパイスを加えたい」と思うようになった。SNSでほんま連の連員たちが心から踊りや音楽を楽しむ姿を見て好感を持ち、昨年9月に入連した。
大太鼓への挑戦
ほんま連は約100人で、手持ちの提灯を巧みに操る女性の法被踊りで知られる。自身の大柄な体格を生かそうと、15人前後が担当する大太鼓に挑戦。当初はぞめきの2拍子に慣れず、間の取り方や音を出すタイミングに苦戦した。
大太鼓を家に持ち帰り、メトロノームに合わせて自主練習を続けてきた。入連から半年が過ぎた今年4月、「徳島城阿波おどり」で初披露したが、「硬さや緊張があり、まだまだと感じた」と振り返る。6、7月は週2~4回練習に参加し、手にマメができるほどたたき込んだ。
ほんま連では初めての外国人で、後藤田朋和連長(52)は「人の変化によく気づいて声を掛けられる性格で、初回の練習から溶け込んでいた。大太鼓の腕も伸びしろがある。これからが楽しみ」と期待する。
娘もデビュー
娘で小学3年の百合杏(りりあん)さん(8)も、法被踊りの迫力にひかれ、ウェイドさんとともに入連。「お父さんの太鼓をたたく姿は格好良い」と話す。本番では「ちびっこ踊り」でデビューを果たした。
夢は米国でほんま連の公演を行い、阿波おどりの魅力を世界に伝えること。そのためにも技術を高めようと真剣だ。初日を終えたウェイドさんは「気持ちよく楽しく踊ってもらえるよう、いい音を出したい」と、決意を新たにした。



