ベルリン銀熊賞『アニカの伝言』2026年11月27日公開決定、予告編&ポスター解禁
ベルリン銀熊賞『アニカの伝言』11月27日公開決定

第75回ベルリン国際映画祭で銀熊賞(審査員賞)を受賞し、世界各国の映画祭で高い評価を得たアルゼンチン映画『El Mensaje(原題)』が、邦題『アニカの伝言』として2026年11月27日より全国で順次公開されることが決まった。配給はアニモプロデュース、提供はキングレコード。この発表にあわせて、予告編とポスタービジュアル、場面写真が公開されている。

動物と話せる少女の旅を描く全編モノクロのロードムービー

本作は、動物と話せる少女アニカと、その能力を頼りに生計を立てる家族の姿を描いた全編モノクロのロードムービー。監督は、カンヌやヴェネツィアなど国際映画祭で注目を集めてきた映像作家イバン・フンド。即興を取り入れながら、実の家族や過去作を共にした仲間など、信頼で結ばれたキャスト・スタッフあわせて10名ほどの少数体制で撮影が行われた。

劇中歌にはペット・ショップ・ボーイズの「Always on my mind」を使用。アンドリュー・ヘイ監督作『異人たち』(2023)でも印象的に使われたポップ・アンセムが、静謐な世界に鮮やかな瞬間を刻み込む。

緊縮財政下のアルゼンチンを背景にした“映像詩”

本作は、2023年12月に自由至上主義を掲げるハビエル・ミレイ政権が発足以降、極度の緊縮財政により経済不安が広がるアルゼンチンの現代社会を背景に制作された。映画支援の予算も大幅に削減され、厳しい状況にある国内の映画業界に対して、フンド監督は「今の社会を⽣き延びるための⼀つの⽅法を描きました。現代に<詩的な>映画を作ることは、⼀種の政治的抵抗になっていると思います」と語っている。

広大な大地から生み出される詩的なリズムと、まばゆいばかりの映像美が、混沌とした時代に生きる人々の心に光を灯す<映像詩>として、観る者の心へと響く。

予告編とポスタービジュアル、場面写真が公開

公開された予告編は、アニカ(アニカ・ブーツ)が「私の兄弟はどこ? すごく寂しい」とハリネズミの言葉を代弁する場面から始まる。地平線まで続く自然風景や、登場人物を捉えた親密なクローズアップを重ねた映像美によって、アニカと祖母ミリアム(マラ・ベステリ)、そのパートナーのロジェ(マルセロ・スビオット)の旅路が描かれている。

手狭なキャンピングカーの中で食卓を囲み、川の字になって眠る家族の営み。ロジェがアニカの歯を抜くシーンや、母親エロイーサ(ベタニア・カッパート)が「大きくなったわね」とアニカを抱き寄せる場面も差し込まれ、アニカが旅を通して成長していく姿が映し出される。また、アニカが心を通わす猫や亀、犬、馬、カピバラなど、さまざまな動物たちも登場。アニカたちのセラピーによって、声なき者たちの内なる想いが“メッセージ”として飼い主へと届けられる。

映像の後半には、アニカが「鳥と話したの」とミリアムに駆け寄る姿も。涙をぐっと堪えるミリアムの意味深な表情が印象に残る。

あわせて公開されたポスタービジュアルは、ハリネズミを手のひらに乗せたアニカの口元をクローズアップで捉えた写真に「心を澄ませて」というコピーが添えられたもの。場面写真では、アニカとカピバラが対峙する神秘的な場面や、アニカ、ミリアム、ロジェそれぞれの横顔、さらに「El Cielo(天国)」と書かれたペットたちの墓地の看板前でポーズを決めるアニカの姿が捉えられている。

ストーリーと出演者・スタッフ

土ぼこりが舞い、とうもろこし畑が広がるアルゼンチンの片田舎。動物と意思疎通ができる“特別な能力”を持つアニカは、祖母ミリアムとそのパートナーのロジェとともに、古びたキャンピングカーで各地を巡っている。彼らは道ゆく先々で、アニカの能力を活かしたセラピーを行い、その報酬で生計を立てていた。アニカが心を通わせるのは、引きこもりの猫、死期の近い犬、兄弟を探すハリネズミ、そして道中で出会ったカピバラ。アニカの純粋な心が、彼女と関わる動物や人々の孤独をそっと癒していく。そんなある日、アニカたちは事情があって離れて暮らす母親のもとを訪れる。

出演者は、ミリアム役をマラ・ベステリ、ロジェ役をマルセロ・スビオット、アニカ役をアニカ・ブーツ、エロイーサ役をベタニア・カッパートが務める。監督はイバン・フンド。© 2024 Vague Notion Inc. All Rights Reserved.