9800円でも高いと言われた友禅作家、突然の解雇を経て3万円超の藍染ハワイアン日傘が完売するまで
解雇を経て3万円超の藍染ハワイアン日傘が完売するまで

突然の解雇を経験した女性が、手描き友禅と藍染、ハワイアンモチーフを融合させた日傘を3万円超で販売し、発売と同時に完売する人気商品に育て上げた。作品の価値を適正に評価する価格設定が鍵となった。

藍染×ハワイアンの日傘、誕生の背景

equboさん(仮名)が制作する藍染とハワイアンを組み合わせた日傘は、深い藍色と鮮やかなハワイアンモチーフのコントラストが特徴だ。工房の職人によると、濃く染められた藍の布は紫外線を通しにくく、日傘としての機能性も高いという。友人からも「これは商品になりそうですね」と褒められたが、当初はバッグ同様に売れ行きは芳しくなかった。

「自分が好きで作っている、趣味で作ったものだから、そんなに高い金額にしたら売れないだろうと思って、いつも赤字にならなければいいくらいのぎりぎりの価格をつけていて、友禅本来の値段はつけられずにいました」(equboさん)

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当時は会社員としての収入があったため、友禅作品が売れなくても生活に困ることはなかった。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大が状況を一変させる。

コロナ禍で職を失い、心身ともに追い込まれる

equboさんはフリーマガジンの編集部で事務の仕事をしていたが、社長の急逝とコロナ禍の影響が重なり、会社は廃業。突然の強制解雇を言い渡された。

「明日からどうやって食べていったらいいの?って、本当に落ち込みました」と当時を振り返る。家にこもり、カーテンを開けることすらできない日々が続いたという。

そんな中、心の支えとなったのが友禅だった。「このままでは、私は壊れてしまう」と感じ、作品作りに没頭。手元にあった布で小さなポーチを作り、SNSに投稿すると、知り合いの作家から「イベントに出てみない?」と声がかかった。

イベント出店で再起、価格改定への決意

外出自粛が緩和され、久しぶりに開催された小さなイベントに出店。来場者から「開催してくれて嬉しい」と涙ぐむ声が寄せられ、equboさん自身も「出かけるきっかけができて嬉しいと言ってくださる方が多くて、私の方が救われました」と語る。

この経験を機に、手描き友禅と藍染の制作販売一本で生計を立てることを決意。しかし、当初は作品に適正な価格をつけられず、9800円でも「高い」と言われることがあった。

価格を上げたことで価値が伝わり完売

equboさんは、作品の価値を適正に評価するため、価格を3万円超に引き上げた。すると、販売開始と同時に売り切れるほどの人気商品に。安売りせず、作品の価値を大切にすることが、顧客に伝わった結果だ。

現在、藍染とハワイアンを組み合わせた日傘は、発売するたびに即完売。equboさんは「自分の作品に自信を持ち、適正な価格をつけることの大切さを学びました」と語る。

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