業務用通信カラオケ「JOYSOUND X1」シリーズの新モデルが発表され、15日に都内で行われた展示会で初披露された。11月中旬に発売を予定しているフラッグシップモデル「JOYSOUND X1 GOLD」とナイトモデル「JOYSOUND X1 RED」の2機種で、会場では映像コンテンツの拡充や音質の向上、歌唱サポート、ナビ機能の改善など、最新仕様を実際に体験した。
昭和のテレビ番組がカラオケに復活
まず目を引くのが、昭和のテレビ番組の貴重な映像を楽しめる新コンテンツ「ブラウン館」だ。当時のスターたちが出演したテレビ番組の映像を、あえて加工せずに使用。懐かしのヒット曲を歌いながら、昭和のテレビならではの熱気や雰囲気を味わえる。
単に古い映像を鑑賞するのではなく、憧れのスターと同じステージに立って歌っているかのような体験を提供するのが特徴。テレビ黄金時代を知る世代にとっては懐かしさを感じられる一方、若い世代には新鮮な映像体験となりそうだ。
映像コンテンツでは、グループ会社との連携も強化。「JOYSOUND X1 GOLD」で展開する映像配信サービス「みるハコ」では、U-NEXTとの連携によって映画やアニメ、音楽ライブ、スポーツのライブビューイングなどの拡充を目指す。
さらに、両モデルにはUSENとの連携による「公式ミュージックビデオ観放題」を搭載。5万2,000曲以上の公式ミュージックビデオやライブ映像を楽しめるなど、カラオケルームを歌うだけではないエンターテインメント空間として活用する取り組みが進んでいる。
バラエティ番組の人気企画気分で歌える新機能
歌唱サポート機能で注目したいのは、新搭載の「爆上げハモリ」だ。これはバックコーラスの音量を大幅に引き上げ、迫力のあるハーモニーに包まれながら歌えるというもの。定番曲を中心に約100曲が用意され、気持ちよくハモリを楽しめるだけでなく、強烈なコーラスにつられずに最後まで主旋律を歌い切れるかというチャレンジ要素もある。
テレビのバラエティ番組でも人気のハモリにつられずに歌う企画を、自分たちでも楽しめるような感覚。歌のうまさを競うだけではなく、つられてしまうこと自体が笑いにつながるため、仲間同士のカラオケでも盛り上がりそうだ。
一方、歌唱力に自信がない人の心強い味方となるのが「歌うまエフェクト」。歌声の音程を音程がずれても自動的に修正してくれるという、いわば車の車線維持支援システムのような機能。難しい曲に挑戦する際のハードルを下げてくれる。
「サビだけ歌いたい」も実現 切り替えの速さに驚き
個人的に便利だと感じたのが「おまかせボーカル」だ。カラオケで歌いたい曲があっても、「サビは知っているけれど、Aメロはうろ覚え」ということは珍しくない。かといって、歌詞もメロディーも曖昧なまま歌い続けていると、せっかく盛り上がっていたカラオケルームの空気が冷めてしまうこともある。
そんな場面で活躍するのが、この機能。歌っていないパートを自動的に検知し、お手本ボーカルが代わりに歌ってくれるのだ。実際に体験して驚いたのは、その切り替えの速さ。歌唱していないことを判断すると、スムーズにお手本ボーカルが入ってくるため、曲の流れを止めずに楽しめる。
サビだけを楽しむ「サビカラ」とは異なり、Aメロだけを歌いたいというニーズにも対応。自分の好きな部分を歌い、それ以外はお手本に任せるという自由度の高さが魅力となっている。約1万曲に対応しており、これまで選曲をためらっていた楽曲にも気軽に挑戦できそうだ。
さらに、「ガイドメロディ表示」も進化。従来の「グッド」「ミス」に加えて、新たに「パーフェクト」判定が追加され、自分の音程がどの程度合っているのかを、より細かく確認できるようになった。こちらも、歌唱力を競うバラエティ番組に出演しているような気分を味わえる機能。採点機能を使用しなくても手軽に呼び出せるため、歌の練習にも役立ちそうだ。
サザンの名曲「TSUNAMI」を熱唱 ライブ会場のような臨場感
会場内では、実際にマイクを握って新機能を体験する機会も。筆者が選曲したのは、世代を超えて愛される名曲「TSUNAMI」(サザンオールスターズ)だ。
音響面では、ライブステージで歌っているような臨場感を演出する「ARENA SOUND」が進化。新たに、低音と高音を強調して迫力を生み出す「PARTY DRIVE」と、歌声をやわらかく響かせる「WARM VOCAL」の2種類のプリセットが追加された。
さらに、「高精細クリアサウンド」では、独自のノイズコントロール技術によって余計なノイズを抑え、よりクリアな音を実現。専用デジタルコンデンサーマイクを使用することで、歌声の繊細なニュアンスまで届けられるという。
こうした音響性能の進化を体感しながら、平日の昼間から「TSUNAMI」を気持ちよく熱唱。周囲を気にせず思い切り声を出せるカラオケならではの開放感を、改めて味わうことができた。
選曲用のタブレット端末「JOYPad キョクナビ」も改良された。スマートフォンでおなじみのフリック入力に対応し、楽曲検索がよりスムーズになったほか、外国語検索機能も充実。画面の指紋や汚れを見つけやすくする「お掃除モード」も新たに搭載され、利用者だけでなく店舗スタッフの使い勝手にも配慮している。
昭和のテレビ映像を楽しみ、ハモリに挑戦し、うろ覚えの曲を気軽に歌い、ライブ会場さながらの音響で熱唱する――今回の新モデルからは、歌唱技術を問わず、誰もが自分なりの楽しみ方を見つけられるカラオケの進化が感じられた。
かつては歌を披露する場所だったカラオケルームが、映像を観たり、ゲーム感覚で盛り上がったり、アーティスト気分に浸ったりできる空間へ。その楽しみ方は、ますます広がっていきそうだ。